天族の杜
- 天族の杜イズチ
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主人公のスレイが暮らす所は、高山の山頂に位置する『天族の杜イズチ』と言われる村にいる。
雄大な景色と美しい自然が広がり、天界のような清浄さに包まれている。
広い野原に石造りの家がちらほらと見える程度で、賑やかさは感じられない。
遠くの景色の地面側には雲が見え、天族の杜イズチは雲より上空にあることが分かる。
天族の杜イズチは人間世界とは切り離された所にあるので、
幻想的かつ穏やかな時間が流れているが小規模の集落であるため、
全員が家族のように信頼して助け合って生活している。人間と天族が暮らす理想郷を思わせる場所。 - マビノギオ遺跡
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マビノギオ遺跡は遥か昔に山腹に造られ、風化もせずに現代へと残った遺跡。
1000年以上も前に滅び去ったとされる古代文明。現代でも解明できない技術が数多く残される。
過剰なまでの紋様彫刻が特徴。動物や植物がモチーフとしてふんだんに使われ、
その表現は自由でおおらか。動物の彫刻などは時にユーモラスな印象がある。
建物の大事な部分の柱や壁は大きな一枚岩を切り出して作られており、
素材を生かしたダイナミックな構造が見られる。
全体に生き生きとした力強さを感じさせる造りは、人間の信仰の力を感じさせるものになっている。
屋外に面した外壁部分は、やはり一面に壁画や装飾が施されている。
外壁の一部は通路を兼ねており、太古の遺跡にもかかわらず見事に原形を保っている。
巨大な遺構の一部は天族の社イズチに繋がっており、
スレイとミクリオは幼い頃からマビノギオ遺跡の探索を進めてきた。
今回二人が初めて立ち入った遺跡の深部は、苔に覆われ、樹木が床や壁を割って育っていた。
それゆえ、崩れかかっている箇所が多いものの、
石の彫刻に自然が彩りを加え一種独特のモザイク模様を織り成している。
あちこちに厳めしい巨像が設置されているが、それが人々を見守る神なのか、
侵入者を拒む魔除けなのか、今となっては正体を知る者はない。
ハイランド王国
アリーシャが属するハイランド王国は、国土の大部分が山地や高原で豊かな緑と水に囲まれた美しい国。
昔ながらの信仰や様式を重んじる文化をもっていたが、
現在は人々の生活や信仰が多様化して、かつての伝統は薄れつつある。
政治の実権も王族と貴族の手を離れ、王の名の下に新たに整備された官僚組織が握っている。
- レディレイク
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レディレイクは、広大な湖の上に築かれたハイランド王国の王都。
レイクピロー高地から流れる豊富な水源を様々に利用した水の都であり、
上下水道、巨大水車を使った工業、美観のための滝などが見られる。
湖の乙女の伝説や聖剣といった導師に関する伝承も多く残っている。
その美しさは大陸随一とも謳われていたが、ここ数年は風紀と治安が著しく悪化して
以前とは違う禍々しい空気が街の内外を覆い始めている。
その異常な変化に危機感をもったアリーシャは、災厄の時代を収拾する手段を求めて旅に出る。 - レイクピロー高地
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レイクピロー高地は、天族の杜イズチのある高山の麓に広がる高原にある。
やや寒冷な気候で、山肌を流れ落ちる滝や針葉樹の森林が見られる美しい自然が広がる。
周囲の山脈から流れる豊富な水は、幾筋もの意流となってレイクピロー高地を駆け下りて
王都レディレイクの湖へと注がれている。
イズチから旅立ったスレイとミクリオが、『下界』として初めて訪れる場所になる。 - 霊峰レイフォルク
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霊峰レイフォルクは大陸有数の高山。
いつ頃からかドラゴンが棲むという伝説が語り継がれているが、ドラゴンがいるのを確認できる。
竜の牙のような奇岩が連なる断崖絶壁の地帯は、古来多くの人命を奪ってきた。
そのことと頻繁に発生する激しい雷鳴がドラゴンの正体だという説もある。
いずれにせよ、うかつに立ち入れる場所ではないが、
その峡厳な山の景色と大陸を一望できる山頂からの絶景は、霊峰と呼ぶにふさわしい神秘さがある。
霊峰レイフォルクは恐れと共に、人々の信仰の対象にもなっている。 - フォルクエン丘陵
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フォルクエン丘陵は、霊峰レイフォルクの山のふもとに広がる丘陵地帯。
年間を通して雨が多く、その雨は起伏に富んだ岩と緑の連なりを洗い流れて、
グリフレット川という丘陵を南北に分断する大河に集まる。
グリフレット川は暴れ河で、周囲に氾濫被害をもたらすこともあるが、
同時に天然の濠としてハイランド王国の最終防衛線の役割も果たしている。 - 湖の乙女の聖堂
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湖の乙女の聖堂は湖の乙女が守護していると言われ、決して抜くことができない導師の聖剣を祀る聖堂。
王都レディレイクは導師崇拝と天族信仰の中心地だったが、近年は世俗臭が強まり、
「我こそが導師だ」という猛者が、剣の引き抜きに挑む『聖剣祭』というお祭り行事の場となっている。
聖剣祭は、ここ数年は世の中の混乱を理由に中止されていたが
アリーシャの尽力により今年は行われることになった。
スレイは天族の杜イズチで、アリーシャと別れる時に祭りの参加を勤められる。
のちに見物に訪れてスレイも聖剣の引き抜きにチャレンジする。 - ヴィヴィア水道遺跡
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ヴィヴィア水道遺跡は王都・レディレイクの地下に広がる遺跡。
現在の街とは異なる文化様式で造られている。
複雑な水流を管理する構造になっており、街の上下水道として利用されている。
深部は複数の時代の遺跡が折り重なって存在しているようで、
不可思議な仕掛けや抜け道が隠されている。
それはハイランド王家が深く関わっているとされるが真相のほうは不明。 - ダムノニア美術館
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ダムノニア美術館は、学術の街マーリンドにある美術館。
大陸でも有数の美術品のコレクションを有していたが、災厄の時代のどさくさに紛れて、
まとまっていたコレクションがばらばらになって行方が分からなくなった。
その背景には多くの犯罪行為があったと思われるが、街だけでなく国ですら混乱の中にある今、
美術品を取り戻すすべはおろか、事実を確かめる方法すらない。
廃墟のようになってしまった美術館に訪れる人も絶えて、残された美術品だけが静かに闇を見つめている…
ローランス帝国
ローランス帝国は、グリンウッド大陸で最も広大な土地を治める大帝国。
国土の大部分は土地が肥えてて作物がよくできる平野。
それが巨大な軍事力を支える基盤となっている。
首都は大陸一の規模と文化を誇る大都市だが、近辺部は開発が遅れており
中央と辺境の格差がかなり大きい。以前は皇帝が絶対的な権力を持っていたが、
現在は古い伝統を誇っているローランス教会に発言力があり、
精神面のみならず政治においても大きな影響力を発揮している。
- ペンドラゴ
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ペンドラゴは、大陸最大の人口をもつローランス帝国の首都にあたる。
大陸中央部は物流の要で、巨大な石造りの城壁内には王宮や神殿遺跡など
数百年前の『アスガード興隆期』の建造物をかかえ、ある意味街全体が遺跡であるとも言える。
レディレイクの華麗な造作とは対照的に、飾り気は無いが中身を充実させた様式は、
ローランス帝国の長い歴史と、その国の特徴を現代に示している。 - パルバレイ牧耕地
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パルバレイ牧耕地は、ペンドラゴの周辺に広がるグリンウッド大陸最大の穀倉地帯。
一面に麦畑のような稲穂が見られ、丘陵部では放牧地として利用されており『帝国の食料庫』と呼ばれる。
ローランスの民と国力を支える豊かに穀物が稔る土地だったが、
災厄の時代が始まって以来は長雨や農作物の病害が続けざまに発生し、食料生産力は激減している。 - トリスイゾル洞
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トリスイゾル洞は、大陸の近緑にあるといわれる地下洞窟。
あちこちに結晶状の柱石がに突き出て、洞窟全体が不思議な青い光に包まれている。
青い光の正体は極小のヒカリ苔とも、結晶が太古に溜め込んだ光とも言われるが真相は不明。
その神秘的な光は、とある詩人を魅了し、この青い洞窟に捧げた美しい詩がいくつも生まれたという。 - ヴァーグラン森林
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ヴァーグラン森林は、ハイランドとローランスの国境付近に広がる大森林。
樹齢千年を越えるような大木が隙間なく生えて薄暗い森の中を、両国を繋ぐ交易路が走っている。
両国の支配があいまいな国境地帯ゆえに、山賊や盗賊・無法者たちがはびこりやすい危険な区域でもある。
森林の奥は迷宮のようになっており、天遺見聞録にも載っていない未知の遺跡や、
別の場所に通じる洞窟が存在すると噂されている。 - キャメロット大陸橋
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キャメロット大陸橋は、ローランス帝国が建造した海をまたぐ大橋。
海中に沈んでいた太古の遺跡を土台とし、その建築技術をベースに橋が架けられている。
グリンウッド大陸では文明の伝承が断続的であり、教え忘れられた過去の技術が
現在では上回っているケースが所々みられる。
キャメロット大陸橋は、かつて大軍を派遣するために国家事業として建設されたが
災厄の時代による混乱で本来の目的を失ってしまった。
現在は辺境地方を行き来する交易商人たちが利用し、彼らの交流の場となっている。 - グレイブガント盆地
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グレイブガント盆地は、ハイランドとローランスの国境に横たわる岩石に覆われた盆地。
岩石が多く見られ、建物らしきものはほとんど見当たらない。
二国を繋ぐ交通の重要な場所であり、戦略上においても要になっている。
高所から見渡せる土地が狭いこの盆地は、策を練るほどの余地がほとんどないので
閉ざされた空間で、大軍同士が正面衝突せざるを得ない場所でもある。
そのためグレイブガントは、何度も歴史的な激戦の場となった。
ここへの侵攻は、両国が総戦力を覚悟していることを意味している。
長らく両国ともに非武装の緩い衝突地帯として扱ってきたが、今再び戦火が立ち上ろうとしている。
ハイランドとの国境にまたがる領域だが、現在はどちらの領土とも言い難い状況である。 - ラストンベル
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ラストンベルは、優秀な職人が集まることで有名なローランス帝国の商業都市。
建物には新旧様々なデザインが施され、売買される物品も職人とこだわりの逸品である。
とくに機械仕掛けで美しい音色を奏でる鐘は有名で、街のシンボルになっている。
ハイランド王国への街道筋でもあり、商業活動は活発で街の住民の自治意識も高い。
本来は活気と自由な気風に満ちた街だったが、
最近は連続殺人や子どもの失踪という不穏な事件が立て続けに起こっているという……。 - プリズナーバック湿原
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プリズナーバック湿原は、大陸の西南都を占める広大な湿原地帯で常に霧が覆っている。
よどんだ沼地の合間には巨大化した植物やテーブル状の岩が見え、不気味な場所を感じさせる。
人の生活に適さない不毛の地だが、かつては開拓が試みられたこともあり
その痕跡が朽ちた木道に見られる。
プリズナーバックの名は、この地方の海岸に手足を繋がれた遺体がよく流れ着いたという伝説に由来し、
周辺に監獄や収容所があった記録はないので真偽は謎に包まれている。 - サブゴット原野
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サブゴット原野は大陸西北部に広がる、多くの野生動物が棲んでいる未開の荒野。
田畑を耕すのは不可能な地。強い大地のちからを秘めており、一節には希少鉱物の鉱脈が眠るという。
かつては遊牧民族との国境として何度も戦争が行われたが彼らは遥か北に去った。
現在では辺境を巡る、行商人や一攫千金をたくらむ鉱山師以外は訪れる者は少ない。
この最果ての地にすら穢れが届き、憑魔化した巨獣が群れをなして徘徊しているのだという。 - ペンドラゴ教会神殿
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ペンドラゴ教会神殿は、ローランス教会の本拠地であり、帝国における天族信仰の中心にあたる。
アスガード隆盛期と呼ばれる時代に建立されて以来、
何世紀も開改築を重ねて使われ『現代に生きる遺跡』といえる。
講堂部分は広く信者に開放されているが、その奥にある複雑に入り組んだ神殿部分は一般公開されていない。
とくに最深部の祭壇には最高位の天族がまつられており、ローランス教会の長である教皇と、
教会全体にかかわる日常的な職務から教皇を助ける『枢機卿』以外は、立入禁止の聖域になっている。 - 闘技場
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闘技場は、大陸各地に複数存在する古代遺跡。
誰が何の目的で作ったのかは不明だが特殊な天響術が仕掛けられ、憑魔たちが殺しあうように造られている。
弱肉強食の戦いが生んだ穢れは激しく渦を巻き、通常の人間には入れない邪悪な空間になっている。
闘技場は長く封じられていたが、災厄の時代と共に何者かにより封印を解かれた。 - ゴドジン
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ゴドジンは、辺境の荒廃とした岩石地帯にひっそりとたたずむ小さい村。
ささやかな農業と狩猟でなんとか生計を立てていたが、近年連続したききんのため飢えで廃村の危機に瀕す。
だが現在では村長を中心に村人が団結して助け合い、子供達のために学校を建てるなど
不思議なくらい活気をていしている。村の奥には由来もわからないほど古い『聖域』と呼ばれる遺跡があるが、
村長によって立ち入りは堅く禁じられている。 - ラモラック洞穴
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ラモラック洞穴は、ヴァーグラン森林の奥に口を開けている洞窟。
苔が覆う内部は複雑に入り組んで、かなりの全長になる。
危険かつ、特別な産物もない場所にもかかわらず、怪しげな商隊や指名手配者など、
表街道を歩けない者達が出入りする姿が度々目撃さている。