ゲーム攻略マンの龍が如く極2の攻略日記

総合監督・名越稔洋氏の龍が如く極2開発インタビュー

ゲーム雑誌の表紙

電撃PlayStation Vol.646で、名越稔洋氏の龍が如く極2インタビューを取り上げてたのをまとめました。
『龍が如くスタジオ』新作発表会後のインタビュー内容です。
主題歌は人気バンドSiM、豪華キャスト、真島吾朗のプレイアブルシナリオなどが発表された
今作の龍が如く極2の魅力について語ってます。


龍が如く極2が発売決定したのは、要望が多かったからなのか?

名越:

それはとても多く、龍が如く極が想定以上の結果を残した。
十年前に発売されたものが、かつ廉価版も2回出している作品にも関わらず、
きちんとリメイクをすれば多くの方に遊んでいただけるという事実は、
ビジネス面で1つの成功事例になりました。


ここ最近、ゲーム業界で多くのリメイクものが出ていますが、
成功しているケースは少ないんです。
そんな中で龍が如く極は非常に好調でした。


この前例はビジネス面でも見逃せず、ユーザーからも龍が如く極2も是非と言われる。
また会社の上層部からも「当然あるでしょ?」という声もある(笑)。
好調なセールスを記録したことで宿命付けられた感じは正直ありました。


とはいえ、過去のエンジンを使っていた龍が如く極は効率よく作れましたが、
龍が如く極2ではドラゴンエンジンというかなり使いこなすのが難しいエンジンで作る必要があった。
このエンジンは龍が如く6でようやく産声をあげたものの、
何作か使い倒してやっと使いこなせるようになる類のもので、まだまだ発展途上のエンジン。


2倍以上ある龍が如く極2を作るのは正直「辛いなあ」と思いました(笑)。
たまに言っていますが、僕自身の本音を言うと、次の作品に注力したかったというのもあり、
多少ですが憤りはありました。



龍が如く極2で真島吾朗のシナリオを追加した理由とは?

名越:

龍が如く極の評価が高かった理由の1つが追加シナリオだった。
そこは応えていかないとと考えていました。
初代龍が如くで心残りがあった。もの凄いストーリーが作れた手応えはあったものの、
錦山彰の葛藤を描いた感情移入としてもう1段足りないかなと感じていた。


なので龍が如く極では、錦山彰と真島吾朗の2人の話を少しずつ多そうかという話があった。
ですがそれでは中途半端になるため、そのコストを全部錦山彰に注ぎ込んだ背景がある。
結果としてそれは正解で、そういった経緯から龍が如く極2では
真島吾朗のエピソードで固めている。


真島吾朗の追加エピソードは、シナリオ面ではあまりない。
ただシリーズを重ねていったことで人気が出た要素やミニゲームなど、
ゲームとしての追加要素は可能な限り盛り込んであります。



キャスト陣が一部変更されている理由とは?

名越:

単純に同じことばかりでは面白くない。どこか変えたいというのがスタートです。
楽曲もそうですけど、僕としてはフレッシュに見せる要素として役立つものは、
できるだけ変えた方がいいと思っていました。


極端な話、ストーリーに関しては普通に遊ぶだけで懐かしんでもらえると思うんです。
そこに極らしさをどう味付けして届けるのかという部分で、新しくキャストを変更しました。
瓦次郎役の寺島進さんもフェイシャルとしての出演は前回はなかったですからね。
またキャストだけでなく声優も含めて、ボイス関係は全て撮り直してます。


ただジレンマも感じていて、11年ほど前にオリジナルを作っていた頃と比べ、
我々の演出の表現力はとても上達しています。
龍が如く2には、すごくお得なぐらい長いドラマが入っているですが、
改めて見ていくと演出が無駄に長いなと感じる部分もあるんです。


そこをシンプルにしてスピード感があるように調整したりすることも、
正直に言えばできますが、それを短くすることがファンにとって
良いことをしているのかどうか、というのはまた別の問題でして。
もしかしたら逆効果になってしまうかもしれないと、結構早い段階から悩んでいました。


結果的には質は上げてもテイストそのものは変えないでいようということで、
昔のままにしようとルールを決めました。
ただアクションシーンで尺も演出も同じだけど、さばき方がちょっと雑な部分などは
もっと丁寧に格好良く作り直しています。



瓦次郎や高島遼など印象が変わりました。郷田龍司の踏襲したモデルになってますね。

名越:

郷田龍司は龍が如くof the end龍が如く維新などでも登場しており、
オリジナル以来という分けでもないですしね。
ただ郷田龍司には格別の貫禄があるので、
それをドラゴンエンジンのグラフィックで見るのは、僕は意外と新鮮でした(笑)。



龍が如く極2の楽曲がSiMが担当した経緯とは?

名越:

龍が如く2のクレイジーケンバンドの楽曲もとても好きですが、
先ほど話したようにフレッシュな要素を盛り込みたいという想いがあったので、
今勢いのある若いバンドを採用することにした。


桐生一馬と郷田龍司、関東と関西といったぶつかり合いを刺激的に彩ってくれる人が
いいなということで、パンチのある若手を探していった結果、SiMに辿り着いた感じです。
実際にお会いして「ゲーム音楽に興味がある?」という話から始まったのですが、
そこでボーカルのMAHさんが「全シリーズ遊んだことがある」と。


これはちょっとした運命めいたものを感じました(笑)
それからは酒を飲みながら「こうしたい、ああしたい」と話を固めていきました。
ここまで具体的な話ができるという凄く良いエネルギーを感じたので、
そのままお願いする形になった。正直、作品に対する説明が全くいらないのは楽でした(笑)


それからしばらくして、プリプロダクションの楽曲があがってきたのですが、
要素が詰まりすぎていて、熱いけど絶対にカラオケで歌えない曲になっていて(笑)。
そこからもろもろ調整させていただいた形です。
劇中歌だけでなく、エンディングも担当してもらってます。



インタビューの感想

龍が如く極は日本と中国の販売本数を合わせて、
ハーフミリオンくらいの売り上げたったと記憶している。
海外展開となると、いろいろと資金もかかりそうな予感がするが、
会社的に見ればそれでも好調な売り上げだったようだ。


で、龍が如く極2は、日本と中国で同時発売することになったのだろう。
当サイトを観察しても、龍が如くユーザーで海外からの来訪者は中国・台湾・韓国が多い。
そして次に北米あたりです。中国は何かしら日本人の感性に通ずるものがあるというか、
共通する何かがあるんだと思った。そこに龍が如くの面白さを理解できるのかもしれませんね。


北米はまだまだと言った感じで、おそらくは半年~1年後にローカライズされて
販売される流れになるものと私的に予想している。


「さっさとローカライズしろよ! ファック!」とボヤいている声も多い。
「つーか、北米で龍が如くシリーズって人気あんの?」と前に質問してみたことがあるが、
「ポピュラーだよ」と返答してたことから、一部の層には受け入れている感じなのかな…?
組織うんぬんとか、言葉の意味がうまくローカライズされて伝わっているのかが気になった。



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