ゲーム攻略マンのARMS・アームズの攻略日記

ニンテンドースイッチの開発で目指していたところとは?

ゲーム雑誌

ニンテンドースイッチが発売されてから数日、週刊ファミ通2017年3月23日号では、
任天堂取締役・常務執行役員・企画制作本部長の高橋伸也氏と、
ニンテンドースイッチ総合プロデューサーの小泉歓晃氏が、開発秘話についてのインタビュー応えてました。


高橋伸也、小泉歓晃


お二人がニンテンドースイッチへの関わり方、いかに開発がスタートしたのか?

高橋:

ニンテンドースイッチの開発がスタートした時、NXというコードネームも無い頃、
その当時は岩田聡前社長(故人)と竹田玄洋氏、宮本茂氏、そして私と話し合い、
この4人で新ハードで新ハードの全体を見るということで始まった。
その話し合いの中で、誰が中心になってやっていくのかという話になり小泉を呼んだんです。


小泉:

その頃、僕は東京制作部にいたが、ある日突然京都に呼ばれまして。
そこで岩田前社長から「河本浩一氏(ニンテンドースイッチ総合ディレクター)とコンビを組んでくれ
と言われた。当時言われたことをよく覚えているが、一番任天堂っぽくない人を選んだと(笑)


高橋:

私と小泉は二人とも元々デザインの仕事を中心にしていて、
20年くらい前、ニンテンドウ64の頃からよく二人でいろいろな話をしていたんです。
彼はスーパーマリオ64を、私はウェーブレース64を作りながらニンテンドウ64を立ち上げて、
その後小泉は東京へ行くことになるんですが、それからもずっと繋がりがあって彼のことはよく知っていた。


それで今回新しいことをするには、彼が一番適しているなと考えまして。
というのも、彼はスーパーマリオシリーズからずっと作っていたのですが、
彼のマリオは何かと無茶なことをするんですよ(笑)


ニンテンドースイッチのコンセプトを決めた過程は?

ニンテンドースイッチ本体
小泉:

最初から変わらなかったのは、「みんなで集まって遊ぶ」ということですね。
これはやはり我々のアイデンティティーだと。
あとどういったゲーム機になるかという話の中で、当時から言っていたのは、
知らない人が来ても巻き込めるものを作ろう」ということでした。


ニンテンドースイッチのプレゼンでもお話した「おすそわけ」というキーワードがあるが、
この言葉は早い段階から出ていました。ただ、どうおすそわけをするのか、ずっと悩んでいたんです。
どこにでも持って行けるということと、知らない人も巻き込めるようにする。
この2点をどうすれば実現できるか、割りと長期間に渡って濃く話していた。


僕はずっと据置き機をメインにゲームを作って来たので、
据置き機だとゲームを作っても人に伝えにくいということを痛感していた。
人に見せる環境の困難さというか、障壁の存在を感じてはいたんですよ。
テレビを用意して家に呼ばないといけなかったり、携帯機であれば持ち運びができて誰かに見せたりできる。


そういった部分の良さを取り込みたい。
ただ据置き機をそのまま外に持ち出すことは、これまで実現でいていませんでしたし、
簡単にできることではなかった。
それを実現するにはどうすればいいのか?というところを、かなり貧欲に考えてきました。


高橋:

そういった盛り込みたい機能、実現すべきキーワードがいくつも出る中で、
ニンテンドー3DSで皆さんが集まってよく遊ばれていたローカル通信のマルチプレイなどを、
据置き機にどう活かしていくのかと考えてキーワードの実現に繋げていきました。


家で遊んで外に持ち出して遊べるのは魅力的だが、その機能も過程で決まっていったのか?

高橋:

そうですね。


小泉:

テレビに繋がっていたところから、パッとはずして両脇にコントローラーを付けて、
持ち運べるようにしようと言うのは簡単だけど、それをどうやって実現するのかと。
技術側のスタッフから「それを実現するのは、これとこれをしないといけない」と
いろいろ言われつつ模索していった。


高橋:

ドックから本体を抜いて画面に映る設計をしていて、そういう仕様になることが
分かっている我々も、初めて見たときは「おぉ!」となりました(笑)


テレビに映し出せるし、外に持ち運びできる機能を決めた理由とは?

ニンテンドースイッチ本体とジョイコン
小泉:

いろいろな想いがあったが、その一つが先ほどお話しました。
僕らが作ったものを広めたい、見せたいとうこと。
あとゲームを遊ぶのに環境に縛られたくない人もいると思うんです。


ゲーマーの夢として、どんな環境でも遊べて、その状況に適した一番良い映像、
プレイスタイルで楽しめるのがあったら嬉しいんじゃないか
と思っていた。
それを実現できれば「これはいい!」と心に刺さる方はたくさんいるだろうと思いました。
そもそも我々も刺さるので、それを作りたいと思った。


新幹線で移動中に座席前にあるテーブルを下げて、そこに本体を乗せられたらいいなと思っていた。
それでスタンドを付けてくれとお願いしたんです。
移動中にゼルダを遊んで、スタンドを畳んでカバンにしまって、
会社でも遊んでゲーム漬けになる(笑)


実際ニンテンドースイッチの開発時には、
世界で一番人を巻き込めるゲーム機を作ろうということと、
世界で一番ゲーム漬けになるゲーム機を作ろう
とテーマをスタッフに説明していました。


据置き機と携帯機のハイブリッドモデルだが、据置き機と明言している理由とは?

高橋:

基本は据置き機であってほしいんです。自宅で遊んで持ち出せるということ。
あくまでベースとして置かれているのはテレビの前だと思っています。



Joy-Con、オンラインサービス有料化、今後のNintendo Switchの戦略など

Joy-Conに様々な遊び機能を採用させた意図とは?

高橋:

最初にお話したように、まずいろいろな材料となる要素や技術があるのですが、
その材料を単体で判断するのではなく、その機能を使ってどう遊んでもらえるか、
楽しでもらえるかを中心に考えた結果、
HD振動モーションIRカメラNFCリーダーライターが残ったというイメージです。


小泉:

1-2-Switchでいろいろな機能を使ったゲームを提案させていただいていますが、
もちろんそれ以外の使い方もあります。
これくれいの遊びの幅が生み出せるのであれば入れようと判断しました。


持ち運べて二人で遊べるゲーム機というサイズを考えると、
何でもかんでも本体に入れれないので、新しさはJoy-Conに詰め込もうと。



WiiやWiiUにはチャンネル内蔵ソフトウェアがあるが、スイッチはメニュー回りがシンプルに感じた

小泉:

ニンテンドースイッチはあくまでゲーム機、ゲームを遊ぶ道具ですから、
河本とずっとサクサクというキーワードで良い続けていた。
本体メニューもできるだけシンプルにして、パッとゲームが立ち上がって遊べるというのを
実現しなければいけないかと。


カセットを差したらすぐにゲームが遊べた時代に比べると、どうしても今は時間がかかってしまう。
カセット時代にはかなわないかもしれないが、そういうことを念頭に入れて開発していた。


スイッチはMiiverseなどのコミュニティー要素が無くなっているが、SNSを活用することになるの?

Miiverse
高橋:

よくMiiがいなくなったと言われるのですが、Miiはちゃんといますし使ってます。


小泉:

自分のアバターがMii以外にも選べるようになって選択肢が増えました。
Miiverseを代表するユーザーのコミュニティーを常設する仕組みに関しては、
今後様々なゲームで必要になってくると思いますが、その時にはまた違った形で実現するでしょう。


スマホと連携するかもしれないし、なんらかの別の方法を企画・検討している認識でいいのか?

小泉:

そうですね。


オンラインサービスなどでスマホ連携を利用する場面が多い。これを重視している理由は?

高橋:

スマホは皆さんが持っていますし、とても便利なものです。
喧嘩する訳でもなく、仲良くしておきたいなと。
我々もスーパーマリオンランファイアーエンブレムヒーローズを出していますし。


ニンテンドースイッチとの関係としては、いかにスマホを便利に使えるかというところに
焦点を置いています。ですので、ゲームに直接関係があるというよりは、
ゲームの補助的な部分でどう使っていただくか、それは既存のアプリでいいのか、
我々が新しいものを提供するのかといったところをいろいろと考えている。


TwitterやFacebookとの連携はどうなのか?

小泉:

ニンテンドースイッチでスクリーンショットが撮れるので、
それをTwitterやFacebookに投稿できるサービスは初めからやろうと思っています。
専用のハッシュタグが付いて投稿できるように考えていまして、
写真や感想などの投稿の仕組みとSNSはとても親和性が高いと思いますので仲良くやろうと。


将来的にできる動画撮影における機能で、動画の長さや、どこに投稿できるのか
といった詳細については、もうちょっとお待ちください。
動画の対応は検討して進めていますので改めて発表します。


今後の本体アップデートで機能が発表以外の機能は追加されるのか?

高橋:

もちろんあります。
我々が考えているロードマップもあるし、ユーザーの声を受けて入れるものもあるかもしれない。
そこはこれまでのハードと同じと思っていただければ。


バーチャルコンソールの展開は、現時点ではまだ確定していないことも多いので、
また決まり次第お話したいなと思います。


オンラインサービスの有料化の理由とは?どういったサービスが展開されるのか?

2017年秋からオンラインサービスの有料化
高橋:

有料化の理由は、遊んでくださるお客様に満足していただくためのことを考えておりますので、
それを実現するためにある程度の費用をいただいて作っていくということです。
そういったこれまでに無いサービスの運営もありますし、快適に安定したプレイ、
及びプレイの補助をするためというのも大きな理由です。


報道では君島社長がVRへの対応も視野に入れていると話してたが、現在検討しているのか?

高橋:

VRの報道は、どこかで違った解釈をされているように思います。
ニンテンドースイッチでVRに対応すると言っている分けではなくて、
当然ながら我々は常にVRなどの最新技術も研究していますし、我々の考えるお客さんに楽しでもらえて、
周囲の人も一緒に楽しでもらえるようなVRがちゃんと提案できるのであれば、それを形にします。


WiiUではなかなかソフトが出ずユーザーのニーズに応えきれなかった。今回のソフト戦略はどうか?

小泉:

自社ソフトはもちろんですが、今回はとくにこのゲーム機で動くソフトメーカーさんのタイトルを含めて、
我々は一体いつ何を出すべきなのかという戦略を考えています。
ですので自分たちが作るものだけではなく、ソフトメーカー、そしてインディーのゲームを含めて、
どの時期にどう出せば魅力的に見えるのかということを一つのラインに並べて考えるようにしている。


高橋:

これまでのWiiやWiiU以上にソフトを増やしていきたいことはもちろんですので、
開発ツールを含めて考えています。最初からUnityを使えるようにして、
Unreal Engine 4もそうですが、かなり初期から意見をいただきながら対応していきました。
だから初期からいっしょにチョキッとスニッパーズのようなゲームもできているんです。


手前味噌で申し訳ないのですが、あのゲームいいでしょう(笑)
ゲームはイギリスのチームで開発をしていまして、最初は5、6人で作り出しているはずです。




開発秘話インタビューの感想

任天堂AA

ニンテンドースイッチは、これまでWiiや3DSでやってきたシステムを積み重ねたゲーム機
という印象を初めに受けたが、いかに楽しでもらえるかを中心に考えた結果、
HD振動やモーションIRカメラ、NFCリーダーライターが残ったというのは意外だった。
というか、それ以上の新要素を生み出せなかったという気もするか…


Miiverseに関してはどうなんでしょうね…?
私が利用したは2~3回程度の利用で終わったけど、コミュニケーションを積極的に
取りたいとも考えていなかったので、結果面倒くさくなって活用しなかったな…。
PS4のグールプ掲示板の機能にしても全く利用しなかったな…


なんかこう…オープンワールドやMOとかで皆で集まって「今日は何する?」みたいな、
ゲーム上でチャットができないタイプの利用目的なら便利そうだとは思ったけど、
やっぱり面倒くさいかなとも感じるし、有効利用法ってのがあんまり想い浮かばないもんだ。
質問して回答を得るだけならLINEや他のSNSもあるだろうし、すでに類似機能が多く存在するしな…


まだニンテンドースイッチが発売されたばかりなので、ゲームソフトがほとんど無い状況だが、
ARMS(アームズ)とかスプラトゥーン2とか女神転生あたりが気にはなるかな。
WiiUのソフト不足には大変悩んだが、任天堂はもっと新規IPにチャレンジして欲しいと思うばかりだ。
製作時間と資金を考えると現状ではどこの会社も難しいんだろうか。


スプラトゥーン2はそれなりに売れたとしても、ARMS(アームズ)のほうは果たしてどうだろう。
楽しそうにアームズをプレイしている動画はいくつも見当たるが、
そもそもニンテンドースイッチが店に売っていないという問題がある…


なんだかんだ言っても、VRは秘かに開発してそうな印象を受ける。
現状はニンテンドースイッチ本体を幅広く売っていくことが目的になってくるだろうし、
今しばらくは大きな動きや変化に期待できそうにないかもね。
任天堂はこの現状をどう突破する気でいるんだろ (´・ω・`)



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