ゲーム攻略マンのホライゾン ゼロ ドーンの攻略日記

ゲリラゲームズとコジマプロダクションとのタッグについて

ゲーム雑誌

ホライゾンゼロドーンが発売されてから数ヶ月が経過し、
すでに遊び終えているユーザーも多いかと思いますがファミ通2017年5月25日号、
電撃PlayStation Vol.638ではホライゾンゼロドーン関連の特集をやってました。
以下はそれについてのまとめです。


ファミ通ではゲリラゲームズのボス・ハーマン・ハルスト氏が来日し、
コジマプロダクションで小島秀夫氏との協議模様を緊急取材したそうです。
Horizon Zero Dawnが使用しているゲームエンジン『DECIMA(デシマ)』は、
出島(でじま)という意味が含まれている。DECIMAがオランダから来たという感じで。


DECIMAエンジンは表現力だけではなく、2km先まで見渡せる描画能力、
ダイナミックな天候、破壊表現、マシンのディテールなど、
あらゆる恩恵があるのだとハーマン氏が言う。


デス・ストランディングの制作が、ゲリラゲームズのDECIMAエンジンに決まった経緯について

小島:

パートナーを選ぶうえで絶対条件にしていたのが、テクノロジーと人の二つ。
この両方が合致しないと良いものは作れない。
ゲームエンジンを求めて世界中を飛び回り、スタジオ回りに出た時点ではここまでしか考えていなかった。


テクノロジーと一口に言っても、グラフィックだけ良いというようなエンジンはいっぱいある。
重要なのは自分たちがそのエンジンを使って高みに上がれるかどうかです。


ホライゾンはオープンワールドで、映像の密度も凄い。
キャラクターはもちろん環境の変化などもリアルタイムで制御されていて、
そのテクノロジーの高さは世界中のスタジオを回った中でもNo.1だった。
僕たちが目指しているものに一番近いかなと。


最初僕らはゲリラゲームズにゲームエンジンだけを提供してもらうものとばかり
思っていたのですが、彼らはそれでは嫌だと言ってきたんです。


ハーマン:

「一緒に作りましょう」と小島さんに言いました。
ゲームエンジンは私たちゲリラゲームズが作ったものですが、
ここから先はお互いにやり取りしながらステップを上がって行きましょうと。
我々とコジマプロダクションがコラボして、ゲームエンジン自体も進化させるという目標を作ったのです。


小島:

そんな提案をしてきたのはゲリラゲームズだけですよ。
その後、まだ契約も交わしていないのに「これに全部入っています。使ってください。」と
ゲームエンジンのソースコードが入ったメモリーを手渡してきた。
彼らの10年分の血と汗が詰まった、まさに命のようなものをですよ。


でも問題はここからです。 僕たちとしてはDECIMAエンジンを使いたいという気持ちはあるものの、
本当につかえるかどうかという精査を3~4ヶ月かけて行った。
一緒にエンジン探しの旅に出たマーク・サーニー(PS4リード・システムアーキテクト)と話し合い、
自分たちなりの条件を設けていた。


エンジンの提供元が作っている主力商品と似たようなものしか作れないようでは
相手に迷惑がかかってしまうので、そこは見極めようということです。
ゲリラゲームズのエンジンを使いつつ、自分たちのゲームを作らないといけない。
正直、最初はできるかどうか不安だったが、検証を重ねていくうちにこれならいけると。


同じエンジンを使うとはいえ、僕たちはゲリラゲームズとやりたいことはちょっと違う。
ホライゾンはカラフルでアートな世界、僕らが目指すのはフォトリアル
だからフォトリアルに適したエンジンやツールにするために、いろいろと改良を加えていきます。
僕らが彼らに質問して直接手を入れることもあるし、要望を伝えて直してもらったりもする。


僕はカットシーンが得意ですが、DECIMAエンジンは僕が使いたいようなツールにはまだなっていません。
彼らと協力してそうした部分を作っていく分けですが、こちらからもノウハウを提供することで、
彼らも同時にそのカットシーンのツールが使えるようになる
のです。



二週間でワールドワイド260万本の売上げ達成について

ハーマン:

リリース後、ユーザーからのフィードバックも評価も高く、開発スタジオとしては嬉しいです。
ゲリラゲームズが手がけてきた作品の中でも、これほどの早さで売れたのは初めてですね。


なぜホライゾンは日本でウケたのでしょうか?
日本での売上げを見ていても、その違いを感じます。
キルゾーンはSFだが、どこか現実味がある世界観。ホライゾンの世界は日本人とマッチしたのかもしれません。
あと日本で非常に人気なモンハンシリーズが大きなインスピレーションになっています。


巨大なスケールの敵を小さな体の主人公が倒す。
そういうシチュエーションがユーザーの目を引きやすいのかもしれません。
ゲリラゲームズの中にもモンハンのファンは多いんです。


Horizon Zero Dawnの続編はあるのか?

ハーマン:

まだアナウンスすることはありません。
現在のホライゾンの拡張することからですね。
ユーザーからのフィードバックも非常にクリエイティブなので、開発にもいい刺激になっている。


ハーマンから見て日本のゲームはどう思う?

ハーマン:

日本のゲームは海外では見ないようなものが多く、とても驚きます。
最近は日本のゲームに対するリバイバル(再評価)が起こっていますよね。
ペルソナ5、仁王、ニーアなども非常に好評価でした。
小島さんのゲームもそうですが、日本のゲームはグローバルでも通用するものが多い。


ホライゾンが日本で評価され、日本人が楽しめるゲームいなったのは嬉しい。
ゲリラゲームズは日本文化が大好きですし、ホライゾンへの反応を見ていると
日本のユーザーの愛を感じます。今後もゲリラゲームズにご期待してください。



ホライゾンゼロドーンの発売後、SIEローカライズのインタビュー内容

電撃PlayStationのほうでは、SIEローカライズの浦野圭氏、
石立大介氏が発売後インタビューに答えてました。


好調な売上げを記録したホライゾンを振り返って

浦野:

2年前にアナウンスされて期待が集まっていたのを感じましたし、
ゲリラゲームズもその期待に応えられたかなと言っていた。
DL版を購入する人も増えたし、昔のような店頭行列ありませんが、
店頭イベントなども積極的に行って盛り上がった。


石立:

僕たちが面白いと思っていた戦闘とかがすごく好評で嬉しかった。
他の海外ゲームと比べると売上げ比率が高かったので、
一般的な海外ゲームより日本のユーザーに気にってもらえる要素が多かったのかなと感じました。


アーロイがブサイクな件について

浦野:

リリース前からその傾向は見えてましたよね。アーロイが可愛くないみたいな。
でも、これも何度もテストプレイや、チーム内でアーロイに最も合うと感じた声優さんの
キャスティングをしたおかげで、段々と好感が湧いてくるようになっているのではと思います。


石立:

海外ではすごいアーロイ好きが多いのですが、日本はそこまででもないなと(笑)
高垣彩陽さんの声ってやっぱすごいなと思いました。
もうちょっとイカツイ声にしちゃったら、女コマンドーみたいになっちゃうと思うですけど(笑)
タフなところもあり、か弱いところもある、芯の強い女性の感じを表現できたんじゃないかと思います。


アーロイのビジュアルは海外ではどうなのか?

浦野:

それが意外と海外も日本とあまり変わらないというか…。
アーロイもいくつかコンセプトアートがあって、徐々に変化して今の形になっているですが、
開発の人たちも「何でもっと可愛くしないの?」と言っている人もいましたね。


ゲリラゲームズには日本のゲームとアニメ好きな人が多いので、可愛くしたいという声はあった。
一方でユーザーは、意外とそのまま受け入れたというか、
こういうたくましいキャラクターを待っていたという人も多かった。


ホライゾンゼロドーンをクリアしても多くの謎が残されている。詳しく教えてもらえないか?

浦野:

数百数千ページある台本を全て読ませてもらった分けではないですが、
シーン毎にここはこうなっていて、こういうことが起きるということは教えてもらっているます。
なので、本編に残る謎についても知ってますが…教えられません(笑)


収集系アイテムで、唯一マップに表示されないデータポイントを全部集めると分かりますか?

浦野:

データポイントに関しては、過去に何が起こったかという内容がほとんどですね。
なぜ機械獣が世界を支配するに至ったのか、なぜ人類が滅びたのか、
というバックストーリーが詳しく分かると思います。


鉄の花を集めると松尾芭蕉の句などが表示されるが、ゲリラゲームズ側が仕込んだのか?

浦野:

日本の文化が好きな人が多いので、そういうところから何かしらインスピレーションを
感じたんだと思います。以前に公開されたアーロイが機械獣に騎乗しながら弓を撃つ写真ですが、
あれのインスピレーションの元になった要素の一つは『もののけ姫』だそうです。
禍ツ機になった時に黒くなるのも、影響を受けていると思います。


ちなみに収集要素などを全部集めた場合、ストーリーのどの程度の部分を補完できるか?

浦野:

収集アイテムはユーザーがその世界に没入できるようにするための小道具として存在している。
世界観のディテールを補強するためにあるものなんです。
なのでトロフィーコンプリートするためにログを全て取る必要はありません。


ゲームをクリアしたあとも、まだこの世界にいたい、探索したいという人のために
ログはマップに表示されない。自分で探していく楽しみを残してあるんです。


開発段階でボツになった機械獣はあるのか?

浦野:

たくさんありますね。キルゾーンのときからそうなんですが、ゲリラゲームズは細かいディテールを
非常に大事にしています。機械獣でいえば何故ここにいるのかというところから始まり、
仕組みを考えてジョイントを設計し、こういう風に動くという感じでデザインを固める。


最初は昆虫系の機械のコンセプトも多くあった。
ちょっと怖いというか、気味が悪い。昆虫が苦手な人も多いでしょう。
そういう意味もあって、もうちょっと親しみやすい、近づきたくなるような、
じっと見ていたいデザインへと変わっていきました。


石立:

動物にすると、なんでそこに生息しているのかとか、
どういう行動を取るのかが想像しやすいんです。
でもコラププターとかはちょっと昆虫ぽいデザインをしてますよね。


浦野:

あれはサソリとカエルだったかな?
いくつかの特徴をとってデザインされてますね。


Horizon Zero Dawnの開発裏話などはあるのか?

浦野:

裏話ではないですけど、困っていたのがアーロイという名前ですね。
英語でいうとエーロイという発音に近いのですが、
これには「鉄の」とか「合金」とかそういう意味もあります。


ただその読み方のまま日本で言うと「エロイ」を連想しちゃうでしょう?
だからそれを開発に言ったんです。
「エーロイって名前は日本だと変態とかそんな感じになっちゃうよ」って。
そこから「これはヤバイ!」となって、アーロイの名前を変えようか結構悩んでた時期があります(笑)


そういえばゲリラゲームズに出張していた時に、スタジオでデザイナーチームが叱れていた時があった。
何を怒られているのかというと、ゲーム内にゲリラゲームズのロゴやキルゾーン関連のものなど、
いわゆるイースターエッグをむちゃくちゃいれていたのが原因みたいで、
それで叱られていたのが衝撃でした(笑)
その後、イースターエッグをたくさん入れるなというお叱りの全体メールが回ってきたという秘話がある。


海外スタジオはイースターエッグ好きですよね。許可もらって入れてるですか?

浦野:

許可はとっていないと思います。
たいていは遊び心がありすぎるデザイナーさんが、みんなに気付かれないように入れているので。
何かを仕込みたくなっちゃうんでしょうね。


売上げが好調でゲリラゲームズもDLCや続編開発に意欲的な話をしてましたが…?

浦野:

言っちゃいましたね(苦笑)
DLCについては、さすがにまだ何も言えないですね。


石立:

たぶんユーザーからのDLCや続編が欲しいっていう声があまりにも多かったので、
言わざるを得なかったんだと思います。
静観しすぎると作らないんじゃって思われちゃうので。


最後に読者に一言

浦野:

リリース後も高い評価をいただきありがたい限りです。
現在も継続して修正やバランス調節、機能の追加もしているので、プレイ済みの方も、
これからプレイする方も楽しんでください。
近々DLCも発表できると思うので、とりあえず騙されたと思って買ってみて!


石立:

私達が想定していたよりも多くの方に遊んでいただけるゲームになりました。
ホライゾンの世界はまた帰ってきたくなる世界だと思うので、
アップデートで気になる機能があったときにまた遊んでみてください。



感想

アーロイとロックブレイカーの写真

ざっくり読んだ感想では、まずはハーマン氏は賢かったという印象が残った。
DECIMAエンジンをコジマプロダクションにただ使わせるのではなく、
「一緒に開発していきましょう」というのは、今後ゲーム開発会社の生き残りを考えると、
そうした方がお互いWin-Winなパートナーシップを望めそうだ。


1回だけDECIMAエンジンを採用して、次回からは別のゲームエンジンに乗り換える可能性も
あったかと思うし、ゲリラゲームズからしてみれば常にエンジン強化していくことからは
逃れられない状況だったかと思う。フォトリアルなツールもいずれは必要になってくるだろうし、
ハーマン氏は賢い契約をしたなとつくづく感じた。



私がHorizon Zero Dawnを初めてプレイして驚いたのは、
ご指摘されていたようにアーロイが「エーロイ」と呼ばれていた部分だ。


初めに海外版をプレイして気付いたことだが、ロストが赤ん坊のアーロイに命名する際に、
「エーロイ!!」と叫んで、「は?」となったことを覚えている。
字幕をみたら「あ~、アーロイのことか…。英語発音だとエーロイが正しいんだなと。」
と思ったのは未だに覚えている。日本語だとエロイになるから変えたのは察しが付いてましたw



聞いてみれば意外だったのは、実は海外でもアーロイはブサイク扱いされていたのかよw
アーロイのコスプレイヤーがちらほら見かけていたので、
てっきりイギリス系の人はあんな感じの女性がモテるんだな~と勘違いしてたわ。
やっぱり女性なのにツッパリみたいな髪型が、ゴリを連想させるところがあるかな…


たまたま日本語版の声優の方がうまくマッチしたことで、
アーロイがそこまでゴリという印象でもないことは一部拭えた気がします。
でも決して美人でなくとも、どこか女性として華がある何かが欲しかった気は未だにするかな…



ホライゾンゼロドーンには、デス・ストランディングを思わせるような
イースターエッグが盛り込まれていたが、あれって勝手に開発陣がやっていたことだったのかw
共同開発の中で「これ入れたら面白そう?」的な流れで入れたんだと想像してたよ。


ニルのクエストに関しては、こいつどこかで改心してくれるのかなと思ったので、
あえて殺さないでおいて様子を見ていたが、結局何も変わらない性格だったのがアレだった。
アーロイとの殺し違いを表現するために、あんな感じに仕上げたのかなと思った。


ホライゾンを改めて振り返るとデータポイントを探すのが面倒くさかったので、
探知機のような道具があっても良かった気がするかなと。
いずれにしてもDLCは発表されるそうです。続編はまあ売れた額かれすれば2は有り得そう。
あとフォトモードはあんなにヒットするとは思っていないほど好評らしいです。



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