STEMとは?

複数の人々による混ざり合った精神世界

STEMの装置

STEM(ステム)とは、複数の人間の精神を繋ぎ合わせて、意識を共有することができる装置のこと。
オープンワールドゲームで、仮想空間に複数のプレイヤーが同じフィールドを共有するような感じ。
映画で言えば『マトリックス』の舞台がSTEMに非常によく似ており、
サイコブレイクの舞台もSTEMに接続された複数の人々による精神世界です。


サイコブレイクでは実験体(被験者)をSTEMに接続して研究していた

STEMに接続された被験者の画像

巨大な脳みそはSTEMの装置の一部で、STEMと人間を接続するには、
コードを後頭部に差し込み、液体の入ったバスタブのような所に人間を入れて寝かせる。
そして脳に電気を流して刺激するのでしょう。そうすると精神世界へリンクされる。


STEMの設計図

▲ルベンが描いたSTEMの設計図


巨大な脳みそは、インターネットで言えばホストの役割を果たしているのだと思われる。
接続された被験者は、同じ場所や同じ出来事を体験しており、
また新しい被験者が繋がれる度に、精神世界が拡大していく。



STEMが創り出す精神世界

被験者からの記憶を取り込み精神世界が構築される

STEMが創り出した世界

STEM内の精神世界は、接続した人間が過去に馴染みのある場所や、
記憶として残っている場所や物など、その記憶をSTEMが取り入れている。
近代的なビルが建ち並ぶクリムゾンシティの風景もあれば、キッドマンが育った西洋風の建物や村など、
いろいろ混ざり合っているのもそのためで、被験者からの記憶を取り込み精神世界が構築されていく。


被験者はSTEMに支配されると、毎回何かが奪われる気がして、
何を奪われたのかも想い出せなくなる。症状が酷くなってくると名前も想い出せなくなる。
つまりSTEMは人が体験した記憶を段階的に奪い、精神世界が構築されている。
まるでコミュニティが形成されて、新たな別世界が作られているかのように。


STEM内にいる家畜たち

家畜や鳥などのクリーチャー化していない生き物は、
STEMに接続された被験者による記憶から引き出されたもの。



STEMシステムに支配されたときの状態

ジョセフがホーンテッド化する画像

STEMシステムにリンクされると、初期症状では無線のノイズのようなものが頭に響き、
他人が頭の中に入ってくる感覚のようなひどい頭痛や幻聴に悩まされる。
その際に毛細血管が膨らんで出血し、脳幹への鋭い痛みが出る。


そして自己や意思が喪失したり、衝動的に自殺したくなってくる。
やがて自我を維持できなくなれば、容姿がゾンビのように変化したりと徐々に支配される。


被験者の娘が体験した内容では、自己を見失わない秘訣は『STEMから出たら何をするか考えること』。
何かを常に考えることで、ある程度支配をブロックできるのかもしれない。

ジョセフにしてもホーンテッド化してセバスチャンを襲うも、普通の状態に戻った経緯から、
完全に自己を見失う前に、自身の中で戦ったり耐えたりすれば助かるものなのかもしれない。



STEMの装置に繋がれたマルセロ・ヒメネス

▲亡くなったと思われるマルセロ・ヒメネス医師


STEM内で死ねば、被験者たちはSTEMに繋がれたまま突然死する。
目を見開き、苦悶と驚愕の表情をしたまま死亡する。
生き残った人に話を聞くと、ヒアリングが困難なほど話す内容が支離滅裂。
そして緊張病性行動が酷く見られるという。



STEMの開発

ルベンの脳研究の成果がメビウスの手に渡る

ルベンの脳解剖の実験画像

STEM開発の礎となった人物は、ルベン・ヴィクトリアーノ(ルヴィク)。
資産家ヴィクトリアーノ家の長男で、一見すると無邪気な少年だが、
被験者の意識がある状態で解剖し、脳に針を刺して反応を研究するなど若い頃から異常性が見られた。
彼の目的は火事で亡くなった最愛の姉・ラウラを、蘇らせようと脳研究を一人で行っていた。


そこに医師のマルセロ・ヒメネスと知り合い、お互い研究のパートナーとなる。
マルセロはルベンの才能に気づき、脳研究の成果を横取りする形となった。
そして最終的には、マルセロからメビウスの手にSTEMが渡ったのが全体的な経緯となる。



ルベンがマルセロとメビウスに捕らえられる

▲ルベンがメビウスのエージェント3名に捕らえられるシーン


ルベンはマルセロのことを「ゴマすりの害虫」と思っていたので、
研究の良きパートナーとしては見ていなかった。
すべて成果を奪われた時のことを考えてか、ルベンは全システムを自分の脳波でしか
STEMが正常に作動しないようにこっそりと再設定していた。


マルセロは自身の知識を持ってしても、元に戻すことは容易ではなかったため、
メビウスとつるんでルベンを力づくで捕らえた。


そして元に戻すように、メビウスのアドミニストレイターがルベンに強要したが、
ルベンは「ヒメネスが直せると思うか? 俺がいなけば何かも無駄になる」と挑発。

その結果ルベンは、脳、心臓、内臓などバラバラに解体されてガラス容器に収容された。
そしてメビウスは人工的にルベンの脳を刺激することにより、STEMを作動させることにした。


ルベンの脳みそ、メビウスとマルセロ会話のシーン

▲メビウスによってバラバラに解剖されてしまったルベン


もはや機械の歯車となってしまった彼の名前は、コードネームでRUVIK(ルヴィク)と付けられた。
ルヴィクのコアは、ビーコン精神病院にあるSTEMに取り付けられていた。
こうしてルベンが築き上げてきたSTEM開発の基盤は、メビウスの手に渡った。



複数あるSTEMの装置

STEMの開発には数世紀に渡り開発され、いくつかのバリエーションがある。
前作のサイコブレイクではラウラを倒した先にある個室にSTEMの設備があったり、
ビーコン精神病院にもプロトタイプの設備があった。


ビーコン精神病院にあったSTEMは、マルセロがワイヤレスシステムを完成させた最新型。
従来はホストとユーザーの接触が必要だったが、ユーザーは高音の音を聴くだけでホストに繋がる
マルセロがメビウスに提供したSTEMは、ビーコン精神病院にあったものと考えるのが自然だ。
バスタブの数やSTEMの装置の大きさ、ルベンの脳が取り付けてあった背景を考えると間違いないだろう。


高温が鳴って頭痛に襲われる仲間たち

▲パトカー内に高音が鳴り響き頭痛に襲われる警官達

ゲーム開始時にセバスチャンたちがビーコン精神病院へパトカーで向かう際に、
セバスチャンがパトカーの無線機で本部と連絡を取り合っている際中に高音が鳴り響き、
パトカーにいた仲間たちも頭痛に襲われていたが、あの時にSTEMのホストと接触されて、
彼らはまとめてSTEMへ送り込まれたのだろう。現場に到着した頃にはすでにSTEM内だったはず。


ビーコン精神病院には灯台のようなものが設置されているが、
灯台のライトに照らされるとSTEAMシステムにリンクされてしまう。
そして被験者が正気を失いクリーチャー化する。
このような装置を使って、「メビウスは一体何をしたいのか?」については謎に包まれている。

ビーコン精神病院にあった灯台付きのSTEM

▲ビーコン精神病院にあるSTEMの灯台。内部ではSTEM装置と接続されている。



STEMに現れるルヴィクとクリーチャーについて

ルヴィクの精神世界

STEMには人間が創り出した精神世界と、ルヴィクの脳が創り出した精神世界がある。
その境界線が分かりづらいが、サイコブレイクの後半部分のステージは、
ルヴィクが創り出した精神世界です。


STEMとルヴィクの脳が繋がっていることで、ルヴィクの意識はどこにでもいる。
ルヴィクは白いフードを被り、フッ…とどこからともなく現れる。
軽く触れただけで死に至らしめるほどの絶対的な力を持ち、恐れられている。
メビウスからは、『ゴースト』とも呼ばれている。



キッドマンがルヴィクを射撃するシーン

またルヴィクは被験者を侵食することで、クリーチャー化させる能力がある。
セバスチャンがホーンテッドにされてキッドマンを襲う個室のシーンでは、
キッドマンがセバスチャンの背後にいたルヴィクにハンドガンで射撃したことで、
ルヴィクは消えてセバスチャンは正気に戻った。


キーパーなどは、ルヴィクが大事に金庫にしまっていた研究資料の記憶と、
抑えきれない怒りから生まれたクリーチャー。

ラウラはルヴィクが愛した女性だが、自分だけ火事場から助かったという強い自責の念が、
凶悪なクリーチャーとして具現化したものである。


ルヴィクの脳を踏み潰すセバスチャン

サイコブレイクに登場するクリーチャーは、ルヴィクの狂気が生み出した副産物や、
ルヴィクに侵食されてできたクリーチャー達です。
彼の意識がSTEMの中に残存していて、STEM内に入ろうとする者を攻撃している。


最後はセバスチャンがルヴィクの脳が入ったガラス容器を地面に叩き付け、
足で脳を踏み潰してルヴィクに終止符を打った。



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