皆のために『仕事があるぜ』

リッキーに仕事のことを聞いたが、答えちゃくれなかった。
俺が仕事の内容に関わらず何だってすると思ってんだな。そんな事ねえぞ。
俺だって色々と考えながらやってんだ。キャンプのために命をかけてな。

アディーはブーザーを助けてくれたんだ。返すべき借りは返すし、
できる事はやるが、俺だって仕事の内容くらい知る権利はある。

ダムへ向かいながら、リッキーはパンデミックの時の話をした。
ハイウェイ97号線沿いもひどいもんだったが、
5号線のほうがよっぽどひどかったに違いない。

考えても見ろ。シアトル、タコマ、ポーランド、ユージーン、サクラメント、
ロサンゼルスを繋ぐ一本のデカい道路だ。
想像できないくらいのバカデカい大群がいるって事は、噂で聞いた事がある。
そんな中を、リッキーは奇跡的に通り抜けてきたんだ。

スキッゾはさぞかし楽しんでんだろうな。面倒な雑用を全部俺に押し付けてよ。
ロストレイクに来る前、ヤツはいったい何してたんだろうな。

俺とブーザーは1年間ずっとフェアウェル地域をバイクで走り回ってたが、
ヤツを見かけたことは一度もなかった。
きっと、97号線が封鎖される前にこっちへ来たんだろうな。
その前のことは謎だ。

• なし