ゲーム攻略マンのNewみんなのGOLFの攻略日記

ゲームメデイアによるNewみんなのGOLFの開発インタビューまとめ

ゲーム雑誌

週刊ファミ通2016年9月29日号、電撃PlayStation Vol.622で
SIEとクラップハンズ、元みんなのGOLFシリーズプロデューサーを制作してた小林氏も改めて復活!
NewみんなのGOLF開発者インタビューをまとめてみました。


■インタビュー者
  • 本村健太郎氏:SIEシニアプロデューサー
  • 小林康秀氏:みんなのGOLFシリーズプロデューサー、現在はスマイルコネクト・イー社長
  • 村守将志氏:クラップハンズ社長


NewみんなのGOLFの発売日延期の理由、現在の開発状況について

本村:

SIEの社内の方とプロデュースグループの体制見直しがあった。
これまでのみんなのGOLFシリーズが1~6まであって、その次が7ではなくNewなので、
もっと手厚く広げていくためにスタッフの役割変更があった。


僕もこれまではみんGOLのプロデューサーではなく、RPG畑の人なんです。
過去でいうとワイルドアームズであったり、白騎士物語であったりと、
RPGを主として担当してきました。
今回のチーム内でも、社内みんGOLの制作を唯一経験してません。



タイトルをNewみんなのGOLFとしていますが、シリーズ連番ではなく、
Newとして制作してきた中で、何をもってNewなのかということを考えたんです。
今の形でずっと作ってきたものに対して、もっとテコ入れというか、
拡充する必要があるんじゃないかと。


それと同時にSIE社内の方でも制作チームを変更する話があって、
僕がシニアプロデューサーとしてチームに入ることになった。


今回のNewではゴルフだけでなく、オンラインの要素も手厚かったり、
ゴルフ以外のアプローチというのもすごく多いので、
そういうところも見直していきましょう。補強していきましょうという意図があった。



ただ当然みんゴルファーの皆さんに対して恥ずかしいものにはできないということで、
そこはきちんとみんなのGOLFシリーズのプロデューサーの小林さんに入ってもらったりとか、
SIE側としても過去のみんGOLに携わっていたプロデューサーを引き戻したり
といった形で役割変更してきた。


その結果、見直しを行ったり強化していくにあたって、延期させていただくことになった。


開発は順調そうでしたが、あれよりもさらに上を目指す感じなのか?

村守:

そうですね。『7』ではなく『New』と付けたところが一番影響が大きかった。
クオリティ部分でインパクトあるものに差別化した状態で発売したいというのがあったので、
それの横索にちょっと時間がかかったかなというのはありました。


あとプログラム的にPS4という初めてのハードだったというのと、
自社エンジンから開発するというスタイルでやっていた
メインプログラマーが一人で開発エンジンを作っていて、これも想像以上に時間がかかりました。
時間をかけた分、品質的にはかなり上がってきているので、以前よりは安心感が出てきた実感はある。


ボリュームは原点回帰を目指すというスタンスでやっているので、
質のインパクトというのと、新しさを感じるというところに重点を置いてデザインしていきたい。
足し算的に付けていくと、どこかおかしなことになるので、
そこは清く原点回帰にしなくちゃいけないなと常々思っています。


初めてみんなのGOLFをプレイする層へのフォローも意識されているのか?

村守:

みんなのGOLF1~6だと、みんGOLユーザーのために進化させてきたというイメージがあって、
操作方法なども別段毎回詳しく説明していませんでした。
でも『New』と命名した今回は、それじゃいけないなと。初めてみんGOLを触る人も
しっかりとプレイヤー対象として、プレイ方法の説明から手厚くしていかないといけない。


小林さんは改めてみんGOLに関わり、どこを担当しているのか?

小林:

実はNew みんなのGOLFが立ち上がったところからずっと携わってます。
何に携わっているのかというと、コースデザインとかゴルファーのスイングモーションとかです。
いわゆるリアルゴルフのところですね。
頭の中は全てゴルフな人間な訳ですから、リアルゴルフとみんなのGOLFを繋げる部分。


昔から村守さんと「バンカーはそこまで難しくないよ」とか、
ぶつかり合いながらショットパワー幅のパーセンテージを調整していったりしてました。
そういう意味でゴルファー視点を中心にした監修と言いますか、
「この方がいいよ」と言った感じで本作と関わっている。


シリーズプロデューサーとして、作る側ではない役割をしている感じです。
来年はシリーズ20年ですよね。20年間のみんなのGOLFが歩んできた道とか、
そういったものをお伝えするのも仕事かなと。
「そういうことはやらない方がいい」といったことを言えるブレーキ役ですかね。


小林さんから見たNewの感想はどうなのか?

小林:

Newの感想は、ハードが進化していることで絵や音が綺麗になってますよね。
爽快感や没入感、その場にいるような気持ち良さは当たり前ですけれど、
今作が一番表現されています。


続編というのは、ある方向へ蛇行しつつ進化もしていくけど、続編のジレンマに陥りやすい。
もう一度みんなのGOLFに戻したい。原点回帰のためのトライ・アンド・エラーは
かなり時間を要したんですが、今進行している内容は新しいみんなのGOLFとして
かなり満足しているし、良い方向がようやく見えてきたという気がしています。


現在の開発進行度はどれくらい?

村守:

どれくらいですかね。80%代くらいには来たかなと思いますけど。
ここから最後まで調整をするんですよ。
まだまだやることはいろいろありますけど、おおむね見えてきたところはあるので、
あとは本当により面白くする調整とかですかね。


骨格といいますか、そういうのは大体できてきたので、あとは磨きをかけて、
それぞれ面白いもの、気持ち良いものにしていくという段階です。
ローカライズだったりとか、そういうものが今後いろいろ控えているんですよね。


昨今のゲームはアップデートで追って入れる風潮があるが、みんGOLも発売延期無しで可能では?

本村:

最初にちゃんと芯があるものにしておかないと駄目だと思うんです。
「あとでアップデートすればいいや」というスタンスで作ってしまうと、
最初の評価は覆らないと思うので。


僕は過去に何本もオンラインゲームに携わってきましたが、
同じようなスタンスでうまくいかなかったこともありますので、そうしたくないなと。
アップデートというのは最初にちゃんとしたものを作って、そこからプラスしていくものであって、
「あとでやるからいいや」というものではないと思ってます。


小林:

ユーザーによって、オンラインリテラシーというのは違うと思うんですよね。
例えば初代みんGOLとかみんGOL2を遊んでいただいた経緯があって、
一度は離れていたけどNew みんなのGOLFはやってみようかなと思っている方には、
あとから追加要素がどんどん増えていくのって、あまりピンと来ないんじゃないかと。


1年前に聞いたときに釣りとか、新しい要素があったけどその後も追加したの?

村守:

池で泳いだりとか、カートに乗ったりといった部分に関しては、
パッチも含めていろいろ入れていく予定です。
あの空間をうまく利用したもので、親和性の高いものであれば、
いろいろチョイスして追加させていきたいという思いはすごくありますね。


現在キャラクターやギア調整はどんな感じになりそうか?

村守:

今までは用意されたキャラクターから選んでプレイしていたが、
今回はメイキングしたキャラクターで遊べるので、これまでとは違ってきますね。
せっかくのマイキャラなので成長要素もあります。
ギアは後半になるとカスタマイズが出てくるんですが、どう調整していくのか試行錯誤している。


一人で復数のマイキャラを持てます。
性能的には一種類ですが、見た目に関しては復数持てるといった感じです。


ある程度の腕前になると、これまでのように遠くへぶっ飛ばすセッティング?

村守:

それはこちらも把握している。
飛ぶけれどマイナス要素もあるといったように、なんとかバランスを取ろうと考えている。
今回は飛ばすとランがかなり出るんです。傾斜の影響も相当考えないとラフまで行っちゃうので、
飛距離だけを伸ばしても「あれ、うまくいかないな?」という風にしていきたいと思っている。


ボールの所持数が∞になっていた意味は?

村守:

ボールは基本的に消耗品です。
スタンダードボールやビギナーズボールは無くなりませんが、
それ以外は一試合出たらなくなっちゃう消耗品です。
ただ、拾えたりすることもあるので…


広大な空間を歩けるので、「じゃあ歩ける意味は何なんだろう?」といったときに、
価値のあるものを拾えるようにしようと、良いボールを拾ったら使ってみようとなるんじゃないかと。
いろんなボールを使っていただきたいという思いもある。


これまでだと、どうしても決まっちゃうんですよね。
どんなコースであれ、「このクラブにこのボール」というように。
戦略の多彩さを考える要素も入れていきたいんです。


キャラクター成長も新しい要素ですね

村守:

成長することで、パットがうまくなったりするんです。
ロングパットをどんどん決めることで、カップにけられにくくなっていくとか。
例えばピンを狙ってロングパットを残してしまった時も
パットの能力が成長するチャンスだと思って前向きにがんばってほしいですね。


1人でコツコツと遊びたいソロプレイ派でも楽しめる作りなのか?

村守:

オンラインもオフラインも両方完備していないといけませんし、
ちゃんと充実させるように考えている。
オフラインでもマイキャラを作って育てられるので。


カスタマイズ用のパーツはゲーム進行度で増えるのか?

村守:

オフラインの大会に参加して、優勝すると貰えたりする。
着替え用コスチュームなども含めて、相当数用意しています。
全部手に入れようとすると、かなりの試合数を要するんじゃないでしょうか。
それくらいのパーツを用意している。


ショットモードは復数あるのか?

村守:

今回は限定回帰ということで、リセットしての1作目なので、
あえて1つにしようかなと思ってます。


オープンコースだし、ラウンド中に他人のアクションが気になる可能性はあるのか?

村守:

パットするタイミングで動くとか、プレイに支障が出るようなことは避けたいですね。
ある程度の範囲に入ってきたら消えるとか、
ボタンで消せるといったことができるようにするつもりです。


東京ゲームショウが終わったら、βテストとかもやるの?

本村:

当然オンライン要素のあるタイトルなので、そういったものも視野に入れてはいますが、
そっちはゆくゆく、またアップデートのタイミングであればやりたいとは思います。


不安要素みたいのはないの?

村守:

去年インタビューを受けたときよりは、かなり払拭されました。
やはりNewと付くからには、どこを一番変えなきゃいけないかという模索をしている最中で、
どこでどうやっていこうかとか、そういう迷いがかなりあったんです。
いろいろできるという多彩さで勝負するべきか、深さで勝負するべきかとか。


その辺で徐々に売り込み要素みたいなのが確定してきて、
それによって安心感をようやく得られたという感じですね。


あとは実はショットの弾道を変えたんですよ。
弾道で1~6まででもいろいろと変遷があって、1と2は自分が作ったんですけど、
その後はメインプログラムを変えたので弾道が割とリアル志向になったりして。


昨日はカップインだったかな? カップインのパターンが少なかったので「もっとありますよね」と。
とにかく今回は原点回帰でもあったので、ひと目見て超気持ちいい究極の弾道を作ろうと、
物理シミューレーション的なリアリティーも高めるんですけど。



本村:

実は物理シミューレーションだけでは、気持ち良さに限界があるということが分かったんですよね。


村守:

やはり小手先のいろいろなことをやらないと、本当の気持ち良さは出ないんですよ。
改めて弾道へのこだわりも原点回帰して、プログラマーにも「自分はこうやっていましたよ」
というのを全部伝えて、さらに気持ち良い形に仕上げてもらいました。


PSVRには対応しないの?

村守:

NewみんなのGOLFがPSVRへの対応予定は今のところないです。
みんGOLは三人称視点だし、単純にゲームシステムをPSVRに落とし込むというのは、
面白さに直結しないかなと。


PS Moveだとスコアを追求できないんですよ。
なんとなくゴルファー気分は味わえますけど、いいスコアを目指して遊ぶという入力方式には
あまり向いていないと思うんです。


最後に読者に一言

本村:

東京ゲームショウに出展していますので、どれだけ変わったのかを体験していただきたい。
発売は来年になってしまいますが、来年はみんGOL20周年というタイミングでもある。
実はまだ言いたくてもいえないことがあったりしますので続報も楽しみにしてもらいたい。


村守:

東京ゲームショウで1回ショットしていただければ、
「ああ、これを作ろうとしているんだ」ということが体感できると思う。
それくらい気持ちよく遊べるよう現状でも仕上がっている。


小林:

みんGOLって発売延期をしたことがなかったような気がするですが、
今回延期をしてしまって本当にすいません。たくさん試行錯誤をして、もう道は見えています。
あとは磨きをかけていくというところだと思うのでご期待ください。



開発インタビューの感想

プロゴルファー猿のアスキーアート

開発スタッフ役割変更とは、大胆な改革だ。
「こんなんじゃ駄目だ!」と改めて考えた結果、発売延期に踏み切ったのだろう。
SIEシニアプロデューサーは、長井伸樹氏から本村健太郎氏に変更されたとなると、
長井氏はトゥモローチルドレンに配属されたということかな?


みんGOLはPS Moveに対応してたときもあったが、
アレって本格的に遊んでいた人が実際いたのか未だ疑問に思います…


本格的にゴルフを楽しみたい方はゴルフ場に行くだろうし、
なんとなくゴルフ気分を楽しみたい人向けだと思うけど、
スペースの問題とか疲れをいちいち感じるのは、ゲーマー向きとは言い難いシステムだったなぁ…。
PSVRに対応しても、あまり向かないような予感がするかな。



NewみんなのGOLFは、みんなでワイワイ遊ぶことに特化したような印象を感じるが、
どこまで遊べるのか、やれることの範囲がどの程度なのかが最も気になります。
ゴルフだけだとさすがに飽きてくるので、別の遊び方をみんなで見いだせたら面白そうだが、
洋ゲーのオープンワールドのような自由度があるんだろうか!?


具体的には魚釣り、カート乗り回し、落ちているアイテム収集、スカイダイビングくらいか。
あとはロビーでチャットとかできそうな感じで、
最終的にはギアやキャラクター強化が残りそうな気がする。
アップデートはどの程度配信されるかも未知だな~


近年のゲームに見られる「足りない部分はDLCやアップデートで追って補え!」というのは、
私もやっぱり納得いきません。
昔と比較すると制作に時間やコストがかかるためか、未完成のゲームが増えたような印象を受ける。
そういった意味ではNewみんなのGOLFは延期して良かったのかもしれませんね。



↑TOP