ゲーム攻略マンのサイコブレイク2の攻略日記

三上真司氏とジョン・ジョハナス氏のサイコブレイク2開発インタビュー

ゲーム雑誌の表紙

週刊ファミ通2017年8月24・31日合併号で、三上真司氏とジョン・ジョハナス氏の
サイコブレイク2開発インタビューを取り上げてたのをまとめました。


■三上真司

三上真司氏はバイオハザードシリーズ生みの親。Tango Gameworksの創立者。
新規IPとなるサイコブレイクでは自らディレクターを務めて開発してたが、
サイコブレイク2ではエグゼクティブ・プロデューサーとして開発を指導している。


■ジョン・ジョハナス(JOHN JOHANAS)

Tango Gameworksの初期からいたメンバー。自称?トロフィーコンプリートマニア。
サイコブレイクではプランナーを務め、DLCでは三上氏にディレクターを任せられる。
サイコブレイク2でも、そのままディレクターを任せられる。


Tango Gameworksのルールでは、エグゼクティブ・プロデューサーよりも
ディレクターに決定権がある。
よって上司の三上氏よりも、権限上ではジョン氏の方が上になる。



サイコブレイク2の開発はいつから始まったのか?

三上:

本格的にスタートしたのはサイコブレイクのDLC『ザ・エクセキューショナー』が
終わった時点(2015年夏ごろ)。セバスチャンが主人公なのは決まっていた。
その前からどんなストーリーにしていくか設定などを煮詰め、
最終的にはストーリーは死んだはずの娘・リリーを助ける分かりやすい動機にした。


JOHN:

サイコブレイクではセバスチャンはいつの間にか異変に巻き込まれ、
プレイヤーも彼と同じように何が起きているのか手探りしながら進める流れになってが、
今作のセバスチャンはリリーを救うという明確な動機があって魅力的なキャラクターになっている。
感情移入しやすいと思う。



サイコブレイク2の舞台について

三上:

サイコブレイク2では最初の方の舞台を広めに設定していて、
ミッション以外にもいろいろな遊びを用意している

オープンワールドという分けではないが、
広めのステージの舞台では自分のペースで自由行動ができる要素がある。


完全な一本道のゲームって、明確な目的を把握していなくとも、
コントローラを握って進めればゴールに近づいているとユーザーは思いますよね。
でも本作では自由度の高いステージを作ったから、こちらでは予測できない事態が起こる場合もある。
こういった形のステージを作るのは、自分たちとしても初めてだったので大変だったが良い経験になった。



バトルシステムについて

JOHN:

システム自体に大きな変更はないが、よりプレイヤー好みのスタイルで遊べるようにしている。
例えば前作ではここはスニーク、ここは正面から挑むなどチャプターによって
プレイスタイルが決まってしまったという反省もあり、後半はスニークが使えないという意見もあったので、
サイコブレイク2ではより好きな遊び方で楽しめるようにしたかった。


そこでスニークは前作と比べて、ゲーム全体で一つの遊びの選択肢になるように作ろうとした。
また成長要素はパラメーターだけでなく、スニークや銃撃戦など新たなスキルも習得することができる。
さらにクラフティングシステムを導入している
。集めた素材を使って自分が使いたい武器の銃弾や
武器を作ることができるため、戦略の幅が前作より増えていると思う。


三上:

遊び方を大きく変えるのではなく、まずは広めの世界で自由に楽しんでもらえる要素を体験してもらおうと。
ホラー性を強化する方向ではなく、前作のユニークな設定を活かし、
世界を渡り歩く面白さ、シンプルで分かりやすい魅力的なストーリーを
堪能してもらうというテーマは最初から持っていた。



前作のサイコブレイクとのつながりは?

JOHN:

ストーリーは繋がっている部分はあるが、前作のサイコブレイクをプレイしていなくとも
丁寧に説明している
ので、まったく分からないことはないようにしている。
1ではグロテスクな部分が強かったと思うが、今作は精神的な怖さをより伝えたいと思っている。


三上:

正直サイコブレイクのストーリーは分かりにくい部分もあったので、
今回はそうならないように分かりやすく構成している。
今回はストーリーが本当に良いんです。しかも後半に向けてすごく良くなっていくので、
難しすぎて途中で放棄されちゃうのは勿体ない。



ゲームの難易度について

三上:

サイコブレイクの難易度が好きな方には『ナイトメア』に挑戦してほしい。
新規ユーザーは断然『カジュアル』をオススメします。
最近快適に遊べるかどうかが、ゲームには重要と思うようになってきました。
サクサク進めてストーリーも面白かったと思っていただけるのが一番なのではと。


JOHN:

前作と同様に難易度選択も搭載しました。
中間の難易度に『サバイバル』も用意しています。
最初に「このモードはこういうプレイヤーに向いているよ」と丁寧に説明している。
僕自身はナイトメアが大好きだが、イージーでもハードでも好きなスタイルを楽しんでもらえれば嬉しい。


三上:

昔と比べると作り手と遊ぶ人の駆け引きが、すごく重要という感じではなくなってきていると思う。
つまり面白いと思ってもらえるゲームは幅が広がってきていて、
難易度が面白さを大きく左右することは少なくなったと。


車で例えるとマニュアル車からオートマ車になったら、もうマニュアル車には戻れない。
自動運転なんて体験しちゃったらハンドル操作なんて面倒に感じるかもしれません。
ゲームも一度快適さを覚えたら、難易度の高いゲームに戻ってくるプレイヤーは少ないと思う。


しかも今はスマホ向けのアプリもあれば、インディーズもある。
選択肢が増えた分、プレイヤーも細分化されていくので、
本作では狭い部分を狙うものではないと思ってます。


JOHN:

サイコブレイク2は、前作ほどチャプターが細かく分かれていないのでロード画面がほとんどない。
もちろんバトルで倒されたら読み込みは発生するが、ストーリーに没入できるように、
なるべくローディングを減らしたかったので。


三上:

プレイスタイルで変わりますが、ある程度探索してクリアするスタイルだと、
最初の街は広くて探索し甲斐もあるので、なんやかんや遊んでいたら、ものすごく時間が経ってます。



ジョン氏をディレクターに起用したことで開発体制で変わったことはあるのか?

三上:

大きな部分で変わったことはないが、少しだけ状況はよくなりました。
序盤が披露目の設定という話をしましたが、
ここをまとめるためにもジョンにディレクターとして入ってもらったんですよ。


JOHN:

ディレクターとしてゲームを管理する部分に関しては、前作よりも少し複雑になったと感じている。
前作ではチャプターで細かく構成が分かれていたのですが、
今作では全てが流れるように進むのでストーリーの境界線があいまいなんです。
なので全体をしっかり把握する必要があった。



ディレクターの方が立場が上ならば、三上氏はゲームの内容には触れていないのか?

三上:

前作では自分が触りすぎて難しくなってしまった部分もあったので、
今回はある程度まとまった段階でプレイして、気になった部分だけ口を出すようにした
プレイすると時々魔が差すんですよ(笑)


その結果、前作の難易度が上がってしまったという反省がありまして、
目をつぶってもクリアできるくらい触りつくしたら、
どんどんこうしたい、ああしたいという思いが収まらなくなっちゃって(笑)


全体の流れを見てどうしてもここは、という部分に関しては手を入れたり、
ジョンも含めて現場には伝えている。ゲーム作りでは近視眼的になって
ある部分だけに注力してしまい、大きな目で全体を見下ろすことを忘れがちなんです。
経験に基づきフォローする意味で勝手に修正したところはある(笑)


JOHN:

すごく気遣っているのはレベルデザイン。まさに今調整を行っているが、
今作はサクサク感を重視するようにしています。
これは僕個人の感想ですが、サイコブレイクでは目まぐるしく変わるステージと、
物語の内容との繋がりが分かりにくかったイメージがありました。


今回は基本的に前作同様「ここはどんな場所なんだ?」と思わせるステージを
たくさん用意しているが、プレイヤーには物語やキャラクターと
世界の繋がりが分かりやすいように構成しました。



E3 2017トレーラーについて

JOHN:

僕は現地で観たのですが、周囲の反応もとてもよかったです。
あのPVには、いろいろな秘密が隠されているですよ。



前作と比較してサイコブレイク2で大きく変わったところとは?

三上:

本作は料理で言うフルコースを堪能してもらうというイメージで開発している。
まず前菜として序盤の広めのステージを楽しんでもらう。
これはサイコブレイク1にはなかった部分で、新鮮に感じてもらえると思っているし、
開発にとっても新たな試みです。


本来の意味での前菜のように、あまりサブクエストも遊ばずにサクッと進んでもらってもいいし、
「これ美味しいやん。前菜追加しよ」って感じで、広めのステージを思う存分探索してもらってもいい。
で、そこからメインに移っていきます。


JOHN:

前半部分は本当にいろいろできるうえに、謎を散りばめてある
そこから中盤・後半と一気に物語が展開します。


三上:

メインディッシュとしてのゲームをそこからどんどん進めて楽しんでもらいたい。
とにかくたっぷりのメイン料理が出てきますから、そこでメインを堪能してもらったら、
一番最後にはめちゃくちゃ美味しいデザート、つまり素晴らしいシナリオが待っている。
ほんと前菜からデザートまでコース全部を楽しんでほしい。


だからこそゲームバランスはめちゃくちゃ大事で、今回個人的にはカジュアルモードがオススメ。
とくにサイコブレイク2から始めるユーザーには、是非カジュアルで最後まで楽しんでほしい。



開発インタビューの感想

前作のサイコブレイクがどんな感じだったか、インタビューを読んでたら何となく思い出した…。
そういえば前作は基本的にストーリーは一本道。スニークキルは序盤~中盤ぐらいまでしか通用しない。
なので、それ以降は銃やボルト、マッチでクリーチャーを退治することになるため、
弾丸の節約が重視された感じだった。


ストーリーでは何度もクリーチャーやトラップで死ぬことも多かったので、
先に進むのに時間がやたらかかったりして、そうこうしているうちに
「何の目的でこの先へ向かっているんだろう?」と目的を忘れがちになってたような…


サイコブレイク2では序盤の広場で遊びの幅を増やしたことで、
ゲーム慣れした段階からストーリーをスムーズに進行させやすくするのも
目的の一つかもしれませんね。ホラーにより過ぎればゲームとしてつまらないものが
出来上がる可能性もあるし、やはりバランスは必要だな。


シンプルで分かりやすい魅力的なストーリーをフルコースで楽しんで欲しい背景には、
前作ではストーリーを最後まで攻略する前に、途中でポイッされてしまったケースが
多かったのだろうか…。前作は荒れ気味だったのでメーカー側には苦情がドッサリ届いたとか!?
つーか、あの異様な難易度設定は、三上氏がセッティングしてたのかと今更ながら知ったw


そういえば序盤のエリアが広いらしいが、マップとかあるんだろうか!?
システム周りに関してはいろいろと気になるが、
発売日に合わせて徐々に情報が投稿される流れだろうか。
難易度はまたクリア後は悪夢モードとか用意されてそうだな~



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