冨樫義博先生が描いたHUNTER×HUNTERの山車デザイン

いろいろと縁合って、気付いたら幽遊白書とかレベルEとかHUNTER×HUNTERの作者・冨樫義博先生の実家に行ってました(笑) な・・・何を言っているのか分からねーと思うが、ありのまま起こった事を話すぜ! 頭がどうにかなりそうだった。催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 

新庄・最上漫画ミュージアムへ行く

山形県にある新庄・最上漫画ミュージアム
■公式:http://www.smmm.jp/

知り合いの家に行ったときに、冨樫義博HUNTER×HUNTERネーム展というのが開催されたチラシぽいのを見かけた。「何これ? ハンター×ハンターじゃねえかよ!」と聞いてみたが、知り合いはあまり漫画に興味がないようで、そういったイベントが過去に開催されていたようだ。

調べてみると山形県新庄市には、『新庄・最上漫画ミュージアム』という施設があるぽい。遠いなぁと思ったが、最近暇だしHUNTER×HUNTER好きだったので行ってきました (*´Д`)=3

むかし旅行で何度か行ったことあるので、駅周辺なら少しばかり土地勘がある。夏は新庄祭りという山車が練り歩くイベントだったり、戦国時代の歴史を調査して最上公園の城跡くらいなら行ったことあります。
 

漫画家の解説パネル

新庄・最上漫画ミュージアムの雰囲気

でもって到着! 最初どこにあるんだろ?と道に迷ったが、なんと駅ビル内にありました。入場無料で閲覧することができます。入口にはホワイトボードが置いてあって、自由にラクガキしても良いらしい。「立ち寄った証くらい書いておくか」と記念に書いていざ出陣!

山形の漫画家たち

阿部ゆたか先生、岡田理知先生、安彦麻理絵先生とか、何名かの地元の漫画家のパネルが飾られてました。地元のどこに住んでたとか、作者コメントとか書いてある。

ハンター×ハンターの山車イラスト

おぉ、HUNTER×HUNTERじゃん!と思い眺めてみたら、「ん!? つーか富樫先生って山形県新庄市出身だったのかと・・・」。平成6年にデザインされた『かむてん』という天狗キャラクターがあるんですが、それは富樫先生がデザインしたのは知ってたけど、そうか!地元だったからデザインしたのか~

前述した新庄祭りですが、富樫先生は自分の考えたオリジナルの山車をチラシの裏に書いてニヤニヤしていた子供時代だったそうです。夜から開催される宵祭りがあるんですが、その華やかさが好きらしく、血が騒ぐものは他にはないのだとか。上記の絵は新庄祭りの山車を、富樫先生がハンター×ハンターでデザインしたものです。ちなみに幽遊白書版の絵もありました。

新庄・最上漫画ミュージアム

それと新庄市に間接で関わる漫画家の作品だったり、漫画とは関係なしにボタンを押すと音がなる装置とかも展示されてた。右側の画像は取っ手を回して中を覗く四季の稲作みたいなやつ。

 

キャラクターのフィギュア

ハンターハンターのフィギュア

グッズ関連は全く販売されていないのですが、展示くらいならされてました。ハンターハンターのフィギュアってあんなに発売されてたのかと。

キャラクターフィギュア

テニスの王子様とかもある。8等身フィギュアって結構値段高かったりするんだよな・・・

 

かむてん神社

かむてん神社

さっき言った『かむてん』の天狗が飾ってある神社があります(笑) 新庄市のマスコットキャラにもなっており、最上地区の代表的な民話である『神室の天狗』だとか。神室山に住む天狗=かむてんと決定されたみたい。自然環境音がスピーカーから流れているので、どこか心地良い気分になります。

天狗のかむてん

おぉ、かむてん様だ。拝むとご利益ありそう!? 何でも鼻を触ると元気になり、葉うちわで頭を撫でられると頭が良くなり、葉うちわで扇がれると寿命が延びるそうですw
でもって千客万来・商売繫盛のCOME店、学業成就・合格祈願のCOME点のご利益などもあるそうです。つまり全てにおいて万能性を秘めた神社ということかw

幽遊白書の冨樫義博サイン

かむてん神社の両サイドには、幽遊白書のサイン絵とかたくさん飾ってあった。かむてんのスマホアプリもあるそうで、『arisar』と検索すると見つけれます。
 

その他:漫画ミュージアムの様子

幽遊白書のグッズ

他にはこちらも会場で販売されている訳ではないが、グッズ関連が展示されてました。幽遊白書のスーパーファミコンとか懐かしいな。当時はアニメ風のバトル展開で面白かったという印象が残ってます。確かパスワード入力で『BABYBABY』だっけ?を入力すると、裏技で100%の戸愚呂弟を使えた記憶がある。

漫画ミュージアム内の画像

あとは自然を学ぶ学習体験みたいなやつが6割ぐらい占めてます。そういえば日本では見たこともない、生きてるカブトムシとクワガタムシが展示されてました。あれはたぶん外国産だと思う。ヘラクレスオオカブトぽいやつ。

その後、観光課の人と思われる方と、しばらく地域や漫画論争をしてたら、「近くに冨樫義博さんの実家あるから行ってみるといいさ」とか言われる。いやぁ・・・そうは言っても知り合いでもないのに行けるかよヽ(´o`;)と返事しようとしたら、実家はなんでも文房具を営んでるそうです。

あぁ、つまり客として行けってことか! 一体何があるんだろ? なぜオススメするんだ?とか、いろいろ疑問に思いながらも、これも一つの縁なのかと場所聞いて行ってみますた(´・ω・`)
 

冨樫義博先生の実家『富樫紙店』へ行く

富樫紙店

そんなこんなで冨樫義博先生の実家の富樫紙店へ到着! 新庄駅から徒歩でも行ける距離にありました。ただ場所的に少し分かりづらいかなと。商店街モールから若干外れた所にあります。近くに寺とかあった。確かに『富樫紙店』と書いてあるなあ。ん?株式会社ピーオーティが正式名称なんだろうか!?

駐車している車を避けて店に入ろうとしたら割と暗かったので、「今日は店休みなんじゃねーの?」と玄関ドアまで進んだら、店内にいる男の人と目が合って背筋が凍り付いた・・・

今のは冨樫義博さんじゃ(´・д・`|||●
 

え!? まさか地元に里帰り中なのかと焦ったが、とりあえず冷静になって店の中へ入り、「ここって冨樫義博さんの実家なんですか?」と聞いたら、「そうです。」と店の奥から冨樫義博先生のお母さんが登場した。見た感じ年齢は70~80歳ぐらいだろうか。顔とか見ると疑いの余地がなく、目とか眉毛とか鼻の位置で本人に似ている面影がある。

とすると「さっき見た男の人は?」と考えながらも、お母さんとしばらく新庄市について話をした。その過程でさっき見た男の人も話に加わるようになって、「あーだ、こーだ」と地域やら祭りの話になる。そして長年の経験と勘によれば、「もしかすると冨樫先生の弟さんなんじゃ?」と話の流れで結論付けた。
 

お店の様子

HUNTER×HUNTERや幽遊白書のグッズ

「写真とか撮影していいですか?」と聞いたら、「どうぞ」と言うので遠慮なく撮ってきました。店内は六畳くらいのスペースなので、決して広い店ではない。文房具が7割ぐらい置かれていて、残りは幽遊白書グッズやハンターハンターの単行本、ジャンプの一部などが売られてた。
 

幽遊白書、ハンターハンターの冨樫義博サイン

壁の天井付近には幽遊白書の飛影、ハンターハンターのキャラクターたちが描かれた絵と富樫先生のサインが3枚飾ってある。
 

ハンターハンターのクロロvsヒソカ

そして1枚だけだが、カウンター近くに幻影旅団の団長クロロとヒソカ戦の原画が飾られてました。「おースゲー! こりゃ本物だわ! 実物見ると感激するな~」。長い休載を挟み、ようやく実現したクロロvsヒソカ戦開幕の原画です。この後ヒソカはクロロに爆破されて殺されるんですよ。それでクロロの念能力の一部を利用して、ヒソカが奇跡の復活を遂げるという・・・
 

ん? 待てよ・・・。カキン王子たちを描いたということは、「これって最近なんじゃ?」と思い聞いてみた。こういったサイン絵は富樫先生が実家に送ってくるのか質問したら、お盆のときは時々で、正月は孫を連れて富樫先生が実家に帰ってくるのだという。そして家で何となく描いたやつを額縁に入れて飾ってるとか。

ちなみに各王子たちが、小さく何かつぶやいている。よく見えなかったが読み取れる範囲で見てみました。そういやサイン下には2017年8月27日と書いてあるような。
 

  • 第1王子ベンジャミン:死ね
  • 第2王子カーミラ:アタシが一番
  • 第3王子チョウライ:降参したまえ?
  • 第4王子ツェリードニヒ:お前がな
  • 第5王子ツベッパ:バカにつける薬なし
  • 第6王子タイソン:いやアタシ♥
  • 第7王子ルズールス:ヤク中ではない
  • 第8王子サレサレ:次 多分オレな
  • 第9王子ハルケンブルグ:平和とは砂の城?
  • 第10王子カチョウ:?
  • 第11王子フウゲツ:?
  • 第12王子モモゼ:バイバーイ
  • 第13王子マラヤーム:かくれんぼ中
  • 第14王子ワブル:ダッ

 

どうしてハンター×ハンターは休載が多いのか?

富樫紙店・株式会社ピーオーティの店内画像

「そういえば気になったんですが、どうしてハンター×ハンターは事あるたびに休載ばっかするんですか?」と聞いてみた。お母さんの意見では、義博は今だとおそらく別の仕事をしているんじゃないのかと話す。仕事はある程度まとめてやる性格なんだという。よってそのうち連載するんじゃないのかとの意見でした。

前に腰痛がどうのこうの理由で休載になりますとかジャンプに書いてた記憶があったけど、病気なんだと思ってたら別の仕事で描けなかったのかと。「別の仕事って何だろう?」と疑問に思ったが、そこを追求されると気まずいかなと思ったのでそれ以上は聞かなかったが、やっぱ売れてる漫画家はいろいろと大変だったりするのかな~

あとこんな事も話していた。「義博は実家に帰ってくると、決まって孫を連れて金山や蔵王のスキー場へ滑りに行くんですよ」と。つまりそういうことだ。
 

新庄・最上漫画ミュージアムには、なんで幽遊白書ばっか展示されてるのか?

富樫先生の漫画といえば、今やHUNTER×HUNTERが主流だけど、ひと昔前に終了した幽遊白書ばかり飾ってあるのが不思議に思ったので聞いてみた。そしたら弟さんが、あれは版権で展示物は決められているので幽遊白書しかないのだと言う。

ですので勝手に「HUNTER×HUNTERを追加しました」という訳にもいかないので、「いつミュージアムに行っても展示物は同じだよ」と。期間限定で開催していたHUNTER×HUNTERネーム展は、結構な原画枚数だったので、版権クリアするの大変だったんじゃないの?と言ってた。
 

弟=漫画家=冨樫秀昭先生だった件について

弟さんは気さくで、話を聞いてると面白い方だった。長々と会話をしてると電話がかかってきてタクシーがやって来た。つまりタクシー待ちしてたということか。で、「そろそろ要があるので出かけます」と言って店を出ていった。出ていく前に「もしかしたら冨樫義博先生の弟ですか?」と聞いたら、「そういうことでさ」と言ってました。

頭の中で会話をまとめていたが、どうも引っかかる点がある。新庄・最上漫画ミュージアムとかその他の話を統合すると、弟さんは何故そこまで漫画家について詳しいのか?ということだ。それは一般の方だったり、漫画ファンの知識を超えている話だったかと思う。つーことは・・・「もしかしたら弟さんも漫画家なんですか?」とお母さんに質問した。

「そうですよ。実家離れて漫画を描いてました。なんといったかな・・・鬼姫? 前にここの店にも漫画を並べてましたが、今はどこかに閉まったかな。最近は漫画はもう描かなくなって、私がもうこの歳なので稼業を手伝ってもらってます。」と言ってました。
 

鬼姫

「あ、そうなんだ!」と、あとで帰宅してから調べてみると、実は冨樫義博さんには弟(冨樫秀昭)がいて漫画家をやってたんですね。絵を観ると兄とはタッチが違う描き方だな。月刊ComicREXとか月刊コミック電撃大王とかで連載してたようだ。そういえば新庄・最上漫画ミュージアムに1点だけ山車の絵が展示されたような!

しっかし冨樫秀昭さんは髪型は違ってたけど、兄と顔がそっくりでした。とすると「やっぱ冨樫義博先生のお孫さんも漫画家を将来目指してるんですか?」と聞いたら、「孫はいま大学生なんですが、子供の頃は漫画家になるんだとはしゃいでました。けど今は全然ですよ。」とのこと。現在は大学生活で手一杯のようで漫画どころではないみたいだ。
 

感想

冨樫義博デザインノート

グッズ購入したら犬デザインのノートを頂きました!「このノートは義博がデザインしたもので、他の店には無い、富樫紙店だけにしかない特別なノートなんです。」と言ってました。ん? 犬ということは、若き日の自画像ということか?w

富樫紙店の包装紙

あと商品を包む包装紙も、「義博がデザインしたものなんです」と言ってた。なんかオリンピックのロゴみたいなデザインですね(笑)とか言いながら、店を後にしました。ふむ、冨樫義博先生はかなりの親孝行なんだな。店の場所は以下のマップにあります。

いやぁ~今日は初めて知ったことが多く、目まぐるしくて濃い1日だった。縁とは世の中わからないものだな。感謝感激の日でした。これも天狗のかむてん様のご利益だろうか(笑)あとHUNTER×HUNTERの暗黒大陸編がすぐに再開するといいですね(笑)

 
あと気になったのが、「新庄市に関連した漫画家っていっぱいいるんですね!」と漫画ミュージアムについて会話してたら、お母さんが冨樫義博先生の嫁(武内直子)の方は、作品展示とかそういったことは絶対やらないのだとか。「なんでそんなこと勝手にやられなきゃいけないのよ!」と言うのだとか・・・

あー、確か姫だとか昔聞いたことがあったな。金儲けしか考えていないクソ企業に腹立つのは分かりますが、奥さん、そりゃ愛ですよ愛。『郷土愛』っていうやつです。漫画家の各先生の山車の絵だったり、作品を観察するとそこには郷土愛が深く感じられる。

誤解されやすいんですが、さらに田舎の方でよく見られる『無償の愛』が重なり合ったものだと私は考えてます。展示作品を観た子供たちが夢をみて、漫画を読むようになったり、漫画家を目指すきっかけになるのかと思えば、そう悪い話ではないような気もするんですよ。それに、そうなりたい漫画家は山ほどおれど、現実にはなれない漫画家が多いんじゃないのかな~
 

その他:絵関連のお話