ゲーム攻略マンのDeath Stranding(デスストランディング)の攻略日記
■目次

ニューヨークのゲームイベントでの小島監督インタビュー

Tribecca Game Festivalのイベント、HIDEO KOJIMA

2017年4月29日~30日に、ニューヨークで開催された映画祭『Tribecca Film Festival』にて、
ゲームイベント『Tribecca Game Festival』が行われました。


そこで小島秀夫氏が基調演説を行いました。その様子はTwitchでライブ放送されて、
映画やデスストランディングについて、語ってことをまとめてみました。
司会はゲームジャーナリストのGeoff Keighley(ジェフ・キーリー)。
小島監督にいろいろと質問してました。



小島監督の作品はメッセージ性を含むが、ゲームでは映画俳優は何を提供してるのか?

Tribecca Game Festivalでの小島秀夫氏のトークショーの様子
小島:

僕らが作るものは、0から作り上げるCGなんですよ。
今までそこは人工物だったんですね。


で、アニメーションと一緒で、キャラクターも仕草も、動きも絵作りも、
僕が頭の中でイメージしたものを、そのまま追求して作るだけだったんですけども、
それがやっぱ面白くない。


そこにライブっていうか、俳優さんの演技とか、僕が予想もしなかった動きをすることで、
さらに作品が良くなるというライブ感が欲しかった
ので、俳優さんを起用した。


ある種、僕の100%言う通りCGでできるんですけど、
そうじゃなくて俳優さんを入れることで、僕のイメージより大きなものというか、
予想も付かなかったハプニングがあったりもしますけど、
そういうものを入れ込みたいというのがあります。


実写の映画で言うと、外でロケーションすると天気も変わる。
突然雨が降って、雨が降るシーンじゃなかったのに降ったりして、
逆にそれが良かったりするんですけども、
僕らCGなんで雨を止めることも、降らすこともできる。


そういった意味でライブ感というのを欲しくなった。
そのライブ感を表現できるテクノロジーというか、
スペックがゲームを持ち出したということです。



新プロジェクトでは特定の俳優を念頭に入れて脚本を書くのか? デスストだとノーマンとか

デスストのノーマンのアート
小島:

ノーマン・リーダスを考えながらキャラクター創りをしてます。
普通はキャラクターを作って、そのキャラクターに合う俳優を探すんですけども、
今回の主人公に関してはノーマンに演じてもらうということで、
ノーマンをイメージしながら書いてます。


ティザーで最初にノーマンが裸で出て来るのも、裸のノーマンから入るというか、
皆さんに見てもらうと。これからいろんな服装とか髪型とか、
装備とかが出て来るので期待してください。



こうしたいと頭にあると思うが、ストーリーを伝える時、その方法はどのように考えてるのか?

小島秀夫監督の基調演説の様子
小島:

30数年前、ファミコンのときにゲームが凄く面白かった。
物語が無いですけども、それ以上に世界観というか、
「目的やキャラクターたちがなぜ戦うのか?」というのが、ほとんど描かれてなかった。


なので、物語とかドラマ以前にキャラクターの背景とかをちゃんとしたかったというのがあります。
例えば僕の大好きなスーパーマリオブラザーズというのがあるんですけど、
クッパという亀がピーチ姫をさらって行くんですけど、何故さらっていくのか分からない。
それが配管工のマリオが助けに行くんですけども、何故助けに行くのかも分からない。


そういうゲームがいっぱいあったんですけども、
そうじゃなくてクッパが何故ピーチ姫をさらって行って、
赤の他人であるマリオが何故助けに行く背景とか、そういう世界観を作りたかったというのが、
最初のゲーム創りの動機です。


その次がドラマですよね。キャラクターが背負ったものとかをゲームをプレイさせながら、
プレイヤーにどう伝えるかというので、いま主流なのはカットシーン、
もしくはプレイヤーがゲーム中に喋ったり、無線機で伏線やサブストーリーを言ったりするという
手法ですけれども、もっと他のやり方があると思うので、そこは模索中です。



デスストランディングの開発状況はどうなのか?

デスストランディングのデル・トロ監督と赤んぼのアート
小島:

どう言ったらいいですかね…。PS4で実際に動いてます。
全体の企画、プロット、キャラクター設定とか当然全部あります。
DECIMAエンジンでいろんな実験をしてます。
ゲームのシステム、キャラクター、環境とか、そういうのをじっくり実験してます。


成功したもの、これからやり方を変えないといけない部分もあるので、
それを精査しながらプロットをもっと細かく、
ゲームのシステムを含めてシナリオを修正しているところです。


ニューヨークは出ませんが、ニューヨークでノーマンが歩いていると、
DECIMAエンジン上でニューヨークを作って、ニューヨークに見えるのか、
広さはどれほどなのかというのを今実験しているところです。


で、イタリアンレストランへ入りました。
そこで誰と会って、どういう話をして、どういうものを食べるかというものは決まってます。
今やってるのは前後を考えながら、どういうテーブルで、どういうセリフを具体的に言って、
どういう料理を並べていくかとか、どれを順番に食べるかとか、細かいところを調整している。



デスストランディングでは、10年前と今のやり方の開発ではどう違っているのか?

デスストランディングのマッツ・ミケルセンのアート
小島:

あんまり変わらないですよ(笑)
キャメロンがやってスクリプトメントというやつを未だに。
最初に文章で書くのが一番早いのでテキストで書きます。


それはスクリプトではなくて、ゲームのコンセプトから全部どんな曲が鳴って、
どういうもの見せて、プレイヤーに何を与えるかと全部それが入っている。
どういうキャラクターがどういう服装をして、そこで何を喋らないといけないとか、
時間軸に沿って書かれているものです。


で、平行してキャラクターデザインとストーリーボードをやりながら、
プログラムを実験して修正しながら、そこまでがOKになるとスクリプトの部分だけ撮って、
そこは台本に書き直します。
カットシーンの部分は、おそらく映画作りと同じだと思います。


パフォーマンスキャプチャーする前に、当然プリビズ作るんですけど、
僕が好きなのはプリビズの前にビデオコンテするんで、ノーマン以外には見せませんが、
僕がノーマンやったりしながら、そういうのをまず人が演じて、
ちょっと簡単なCGに起こしてプリビズします。


僕らのスタッフでビデオコンテするんで、スタッフは俳優じゃないので凄く演技が下手なんですよ。
ちゃんと喋れない、噛んだりするんです。
僕が悪いのか、そこ修正したりするですけど、あまりよろしくないですね。



最初決まってたものから、どのくらい書き直すのか?

小島:

イメージは変わらないですね。ストーリーラインも変わらない。
プログラム上で表現できないこととか、メモリが足らないとかあるので、そこは修正します。
コジプロ内で全部完結するように作っているので、非常に無駄がない作りです。


キャラクターの設定をして、新川洋司のところへ行って一緒にデザインをして、
新川洋司がデザインしたものをCG化するんですけど、
不都合なところはもう一回新ちゃんとこ戻って、その場で直す。
外注を使うことはそう出ない。前時間・前分修正しますので、川上で修正食い止められると。



一番クリエイティブになる時間はあるのか? 例えば週末とか、ストーリーは会社で書くとか

小島秀夫氏のインタビュー風景
小島:

よく聞かれるんですけど、考えてるのは今も考えているので(笑)
寝てる時間以外はずっと考えてます。
ストーリーとかゲームとか、キャラクターとか演出とか。


事務所に行って収録するときは、考えたものを収録するだけです。
そこで悩んだり考えたりはしませんので。
なので家族と旅行へ行っても、考えているので怒られるんですよ。
心ここにあらずみたいな。



いろんな映画監督と会ってるけど、若い世代の映画作家から影響を受けた作品はあるか?

小島:

今の若い映像作家の人は、ゲームを遊びながら映像を作っているので、
非常に感覚が近いです。デジタルもすごく使い慣れてるので、
話をすると凄く近いものがあります。


10年・20年前ぐらいは映像の人ってフィルムが24コマで、
僕らは60フレームや30フレームといった共通言語が全然無くて、
非常に話が合わなかったんですけど、今は全然そういうことはない。


映画の制作・プロセスがほとんど同じ。
最終出力がゲームなのか映画なのかの違いだけなんで、そこはすぐ仲良くなります。


昔からゲームはデジタルなんですよね。デジタルでスタートして8色・16色しか
出なかったんですけど、それが何万色という色が出るようになって、
音声が使えるようになって、ムービーが再生できるようになって、今は3Dなんですけども、
映画はずっとアナログだったんで、そのアナログとデジタルの共通言語が合わなかった。


今は当然映画はデジタルで、3Dになってますし、制作スタイルはほとんど同じなんです。
非常に昔とは違いますね。
最近の映画でインスピレーションを受けたのは、『キングコング』が面白かったですね。



VRやARが今後ゲームにどう影響を与えていくと思いますか?

小島秀夫氏
小島:

VRアーケードを遊びに行ったんですけど、ゲームを作ってきたクリエイターが、
VRやARを作る手法と全然違うアーティスト、
ドキュメンタリーを撮った人が作ってるVRが非常に面白かったです。


ゲームと映画ってやっぱりインタラクティブとノンインセンティブで
違う方向だったんですけど、VRとARでおそらくクロスする接点になると思います。


もともと写真ってフレームなんですね。絵画もそうキャンバスが四角で、
モニターもノートブックも本も全部フレームなんです。
フレームの中で、どういう情報量を入れるかってのが今までのメディアですよね。


インタラクティブなメディアのゲームも、FPSでも一緒なんですよ。
フレームの中にどう入れるか、カメラを振れたりしますけど、
やっぱりフレームの中の情報をどう当てるかなんで。


それがVRとかARになるとフレームが無くなる。
フレームじゃない見せ方。情報量の整備というのをいかにするか?というのが、
ゲームでも映像でも問われる。そこは非常に面白い世界になると思います。


360度見える世界で、アーティストは何をどう見せるかというのが問われてくるので、
そこは非常に面白いですよね。


まぁ物語のストーリーテリングの見せ方って非常に難しいんですけども、
トライベッカのVRが面白かったのはドキュメンタリーというか、
今までフレームで見せていたドキュメンタリーを、いかにVRで360度で見せるかという試みが
いっぱいなされてたので、そこは非常に面白いものが出てきそうです。



360度のストーリーを観て、インタラクティブであることが、映画とゲームの接点になる?

小島:

必ずしもインタラクティブ…ちょっと御幣がありますけど、
360度どこを見るのかはユーザーが決めるので、それこそインタラクティブなんで、
何か操作をすることで話が分岐をするとか、そういうことじゃなくて、
十分インタラクティブなんでそこは旧メディアとは違うところです。


そこをアーティストがどう表現していくかが今後問われると思います。
例えば四角のキャンバスに絵を描くっていうのが今までだったんですけども、
360度どこに描いてもいい分けなんで、そこで表現方法が各段に広がるので、
それはインタラクティブではありますけど、非常に面白い未来が待ってると思います。



ゲームに技術が追い付いてなくて、近未来で「これが解決するといいな」と思うものはある?

イベントでの小島秀夫の様子
小島:

いっぱいありますけども、日々テクノロジーは進化してるので、いずれはできると思う。
今は今日できることを使ってクリエイトしてます。
5年・10年経つといろんなことできるのが分かっているので、すごくポジティブに考えてます。


よくゲームを1本作ってインタビューされるんですけど、
「できなかったことありますよね?それを続編に入れますか?」というのはしません。
次作るときにはもっとできることが広がって行くので、そこでのクリエイトになりますね。



近いうちに映画を撮りたい気持ちはあるのか? それともゲームに従事したいのか?

小島:

まぁ映画大好きなんで、いつか撮りたいですけど、今は無理ですね。
えーと・・・デスストランディング終わってからです。
一つ心配しているのは、映画が好きすぎて完成しないんじゃないかと。


前の人もよくそういう風に言います。
「小島さんは映画が好きすぎるんで、駄目だしばっかりして完成しないんとちゃうんか?」と。


ゲームの場合は最終的に皆さんに遊んでもらって完成するので、
そこまでじゃないですが、映画はやっぱり作り込んでそれを観てもらうことになるので、
ちょっと違うものですね。



もし映画を作るとしたらデスストをインスピレーションにした映画? それとも全く別物?

小島秀夫監督の画像
小島:

全く違うものです。すごく巨大な予算を使ったものか、
すごいインディーズの主人公とキャラクターが二人ぐらいしか出ない密室劇みたいな、
そういうのでも良いかなと。


頭の中にはいっぱいあります。良いアイデアって上書きされる。
上書きされても残ってるのが良いアイデアなんで、
アイデアに関してはあまりメモとか残さないです。



小島秀夫氏のインタビュー感想

感想

ジェフが人間の体は水分がほとんどだけど、小島さんの場合は映画がほとんどとか言ってたけど、
そもそも小島監督は映画どのくらい観てるんだろ!?


私も映画はそこそこ観てる方なのかな?と昔思ったことがあったが、
世の中、上には上がいるもので、昔サークルで知り合った人が、
年間で280~300本ぐらい映画観てるという人がいたなぁ・・・


自身を映画マニアと言ってたくらいなので、よほど映画が好きなんだと思うが、
「今まで観た映画の中で、何が一番面白かったの?」と質問してみたら、
「それって何の映画…?」と思えるほど、かなりマイナーな映画を3つ上げたので、
まったく話が噛み合わなかったw


なにか作品について語るときは、「ある程度の人が知ってそうなタイトルを上げないと
駄目なんだな・・・」と、その時悟った訳ですが、
ゲームにおいても同じことが言えるかもしれませんね。


そういやファミコン時代って、ストーリーとかまったく無いのが当たり前で、
「動機は何なのか?」と、勝手にユーザーが想像して遊んでた時代でした。
説明書を眺めても詳細なことは記載されていないので、
今となっては「あのゲームなんだったの?」と、知り合いとネタ話するくらいか…


ファミコンの魔界村

例えば魔界村だと、オープニングでは夜中の墓場で、パンツだけの主人公と姫が、
二人っきりで何かをしているが、姫だけ悪魔に誘拐されることになります。
で、「あいつら何やってたの?w」と会話になるくらい、
誰もストーリーを理解してる人がいないんです。そのくらいイミフだったw



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