2016 PlayStation Press Conferenceのデスストランディング発表内容
2016年9月13日に『2016 PlayStation Press Conference in Japan』がライブ配信された。
世間では新型となるPS4 Proの発売が騒がれている状況だが、
今日配信されたシステムアップデートでは、現在のPS4でもHDR画質に対応したのだとか。
もちろんテレビがHDRに対応したものでないと意味はないですが、
どんどん綺麗な画質でゲームをプレイできる環境に整っていく気配が感じられます。
それで今年のプレステカンファでは小島秀夫監督が登壇して、
デスストランディングについて語ってました。以下はそれについてのまとめです。
デスストランディングとは?
6月のE3での発表がありましたけども、日本の皆さんにこうした形でお話ができて嬉しい限りです。
昨年はいろいろありました。約30年間ゲームを作り続けてきたこともありまして、
少し休憩でも取ろうかと思いました。
しかし世界中のファンや友人から、「みんなが待ち望んでいるようなゲームをもう一度作って欲しい」
と言われましたので、心を決めました。
皆さまのラブコールに答えるべく、昨年の12月にコジマプロダクションを設立し、
最初の作品としてSIEとPS4のタイトルを作ることにしました。
それがE3 2016で発表しましたDEATH STRANDING(デスストランディング)です。
クジラやイルカが集団で座礁することをマス・ストランディングと言います。
生きている状態をライブ・ストランディング、死んでいる状態をデス・ストランディングと言います。
この作品では、「別の世界からこちらの世界に、何かが座礁している。」ということを意味します。
またストランドという言葉は、心理用語で『より糸、絆』という意味もあります。
本作はまさに「繋がる」というのがテーマになります。
カイル・クーパーさんにタイトルロゴのデザインをしてもらいました。
血が垂れているようなデザインですけど、これこそがストランドでコードと言うか、
デスストランディングでは物語・ゲーム性・世界観の全てがストランドで繋がるという
意味合いのことです。
- ■日本海の鯨類のストランディングレコード
-
海産哺乳類が生きたまま座礁したり、死体が漂着したり、
あるいは本来の生息域から河川などに迷入する現象を総称して
ストランディング(Stranding)と呼ぶ。
単独のストランディングの多くは健康上の理由が主と思われるが、
群が集団で座礁してしまうマス・ストランディングの原因については、
磁気気説、地形説、寄生虫説など様々な推測がされているものの、
未だに多くの謎を残している。
どんなゲームなのか?
小島:
ゲームについてはまだ詳しいことは言えませんけども、ジャンルはアクションになります。
自由度のあるオープンワールドで、同時にストーリーも楽しめると。
もちろんオンライン要素もあります。
僕が好きな作家の安倍公房さんの『なわ』という短編からの引用になります。
人類が初めて発明した道具が『棒』であると、
棒は脅威のあるものから遠ざけるために発明した道具である。
その次に発明したのが『縄』。これがストランドになるんですけれども、
自分の大切なものを引き止めるために作り出した道具であると。
この『棒』と『縄』というのがあって、我々の文明があります。
「ではアクションゲームの世界ではどうなってるか?」と皆さんと観ていただきたい。
- ■安倍公房『なわ』
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「なわ」は、「棒」とならんで、もっとも古い人間の「道具」の一つだった。
「棒」は、悪い空間を遠ざけるために、「なわ」は、善い空間を引きよせるために、
人類が発明した最初の友達だった。
「なわ」と「棒」は、人間のいるところならば、どこにでもいた。
いまでも、彼等は、まるで家族の一員のように、
すべての住居に入りこみ、住みついている。
アクションゲームですけども、最初プレイヤーとCPUが棒で殴り合うところからスタートしました。
その後に物語が付随したんですけども、敵と殴り合いながら、
その過程で物語を楽しむというのがあった。
その後オンラインが繋がって、棒で殴り合うプレイヤー同士が対戦して、
それで繋がりができたというのがあります。
今はCPUを共通の敵として、ユーザー同士が協力してCo-opというのもあります。
なんですけども、やっぱりオンラインで繋がったとしても、
今のゲームは棒的な繋がりしか実現できていないということもありまして、
デスストランディングでは次のステップ(ゲームの未来)を提案したいと思ってます。
なのでデスストランディングでは、縄的な要素で繋がる新しいゲーム性を
追求していきたいと思います。当然棒としての戦いみたいなのはありますけれど、
結果的には今までと違うアクションでの繋がりというのを、目指していきたいと思っております。
コジマプロダクションについて
コジマプロダクションですけれども、ようやく事務所も決まり、ゲームエンジンも決まりました。
これから本格的にゲーム作りをしていきたいと思います。
またデスストランディングでは4KとHDRに対応しておりますので、
より鮮やかでリアリティーのある映像でゲームプレイをすることができるようになります。
僕らはインディーズのスタジオですけれども、「世界で戦えるAAAタイトルの大作を作れる」
ということを証明しなければいけないと思っているので、まい進して行きたいと思ってます。
それが僕らの後に続く、世代への責任でもあると思ってますので、
ゲームの未来を切り開いて行きたいと思っております。
最後になりますけれども、TGSの18日にソニーさんのステージで行います。
そこでは、この場でお話しきれなかったこと、皆さんが聞きたいことがあれば
可能な限りお伝えしたいと思います。
それでは東京ゲームショウでお会いしましょう! 本日はありがとうございました。
PSカンファレンス・DEATH STRANDINGの感想
プレゼン内容に関しては、E3 2016とあまり変わらない内容だったかと思う。
「世界で戦えるAAAタイトルの大作を作れる」ってのは志が大きい!
そこは見習いところがあるかな (*´Д`)=3ハァ・・・
日本ではインディーズと言えば、趣味で作った『同人ゲーム』という印象があるけど、
海外だと元プロの開発者たちが、少人数で結成してゲームを創るという感じなので、
少人数でもクオリティーがだいぶ高かったりします。
それ加えて高価なエンジンを必要とせずに、Unreal Engine 4など無料で提供されてる時代なので、
クリエイターにとっては開発しやすい環境が整った時代だといえる。
その点においては、これまでにゲームを作った経験のあるクリエイターたちが、
世の中に出やすくなったところもあるだろう。
ただインディーズだと、AAAタイトルのクオリティーまでは届かないものが多く、
プレイされずに役目を終えてしまうものも多いですね。
広告費に苦戦したりで、SNSで良い具合に拡散して飛び火するのを待つぐらいか…。
成功すれば大きな会社が建つくらいなので、まぁ…夢はあると思う。
とはいえ、日本ではスマホゲームが主流になっていて、
「いかにしてユーザーから金をむしり取るか!?」といった状況なのが残念だ。
小島監督の爪の垢を煎じて飲ませたいもんだなw