デスストランディングのゲーム内容、ストランドゲーム、「いいね!」要素など

ゲーム雑誌の表紙

週刊ファミ通2019年10月24日号にて、東京ゲームショウ2019明けの
小島秀夫監督にインタビューを取り上げてたのをまとめました。
内容は東京ゲームショウ2019で披露したデスストランディングの質問が中心になってます。


東京ゲームショウ2019での発表はどうだった?

TGS2019の小島秀夫監督
小島:

ずっと「どんなゲームなのか、よう分からん。」と言われ続けていたが、
それでもゲームイベントには出したくなかったんです。
東京ゲームショウ2019で見せたプレイ映像も、長い道のりを独りで歩いて、
目的地の街が眼下に広がって曲が鳴ると、初めて自分で体感して泣く人もいますよ。


オープンワールドゲームを、15分くらいのプレイで分かってもらうのはキツい。
だから出したくないと言ったのですが、どうしても出して欲しいと。
それで、いざああいった形で見せたら、オシッコウンコにフォーカスされてしまった。
あんなん一部の要素ですから(苦笑)


でもゲームの流れは何となく分かりましたよね?
向こう側がどうなっているか、その先に道が続いていて感動したりして、
その感覚は実際にプレイしてみないと分からないんですよ。見るだけでは伝わらないので。


デスストランディングのプレイスタイルについて

デス・ストランディングのゲーム画像
小島:

きっと、シンドイですよ(笑)いろんなことを要求されるゲームです。
最初は世界観、ゲームのルールもゆっくりとその人の中に入っていきます。
モニターの人のリポートを見ても、中盤くらいからもの凄く面白くなったというのが多い。


よくデスストランディングをレースゲームに例えるが、
車の操作方法は従来のゲームと変わらないので、最初から誰でも乗りこなせる。
でも乗っているうちにコースを覚えてコーナリングを攻めたり、
タイムを競うことが面白さではないと分かってきて、自由度が広がっていくんですよ。


自分のスタイルで物を繋いでいくということができるようになってくると、
そこから遊び方は本当にバラバラですね。やたら他人のために橋を作る人もいれば、
落ちてる荷物を全部届けて回る人、敵と戦う人、交戦を避けて迂回する人。


僕は人の物を利用して我先に行く人です(笑)
ですので、人との繋がりを表すグラフみたいなのは低いままです。


雪山のフィールド、敵について

サムがミュールに追いかけられてるシーン
小島:

大きな雪山がありますが、そこが病みつきになるくらい凄い。
みんな雪山から離れたくなくて、ストーリーが進まないっていう(苦笑)
過酷なんですけど、装備も増えて慣れてくると攻め方が変わってきます。


雪山は吹雪いてホワイトアウトしたら周りが全く見えないし、
その先が崖かもしれない所を進まないといけない。
あとは、サムたちの荷物を狙うミュールというのがいますが、
彼らは荷物タグに反応するので、荷物を脇に置いてイタズラする人もいます。


ミュールは人間です。配達症候群にかかってしまった元配達人です。
ミュールは人の命は取らないが、それとは別にいるテロリストがヤバい。
むちゃくちゃ強いので、見かけたら遠回りした方が良いですね。
シューターが得意な人なら行けます。


メインストーリーの進め方で変わるのか?

小島:

世界の点と点を結ぶメインの目的があるけど、オープンワールドなのでどう進めても構わない
自分が通ったところが道になるんです。道を残すゲームです。
道とは生き方であり、人生や歴史であったりする分けじゃないですか。
それを自由にできるゲームなんです。


人の足跡の上を通るとそれが獣道となり、やがて道路になります。
自分で行ったり来たりすることでも道になっていく。シルクロードみたいなものですよね。
点と点を繋ぐ人がそこを通り、異文化、異人種が交流することで、
いろんな人が仲良くなれば、争い・戦も起こる。そこも体験してもらおうと。


最初の頃は荷物配達ゲームやウォーキングシミュレーターとか言われてたけど、
分かってもらうには、とにかく遊んでもらうしかないと。


「いいね!」について

デスストランディングのいいねの画像
小島:

ゲームってこれをやると自分がパワーアップするとか、金が儲かるとか、
自分のために行動するのが基本です。
橋を建てるにしても、自分が通りたいから建てる。


でもデスストランディングでは自分が建てた橋は世界中の人と共有されて、
他の人が利用すると、その人から「いいね!」が飛んできます。


これを体験すると、橋はあそこで良かったのかな?と考えるようになって、
その次に取る行動は、自分のためだけでなく、
他の人にとっても便利な場所を選んで建てるようになるんです。


不要なアイテムを捨てるにしても、誰かの役に立つかもしれないと共有ロッカーに
閉まっておいたり、そういう良いスパイラルが起こればいいかなと思ってます。
でも、この「いいね!」はウチのスタッフは猛反対だったんですよ。
自分のメリットにもならないことに、誰がいいね!なんてするんですか?」と。


「いいね!」は無償の愛ですね。お金や武器になったりはしません。
この世界の意思表示は、ポジティブな「いいね!」しかありません(Dislikeは無し)。


「この橋、邪魔だな」と怒ってる人もいるかもしれませんが、これが間接的な繋がりです。
足跡を見て、何であっちに向かった、ここで休憩したんだろう、オシッコしたんだろうとか、
いろいろ考えるじゃないですか。じゃあ、自分もオシッコをしてみようとか。そういう繋がりです。
21世紀のハイテクな時代に、アナログなコミュニケーションに戻る試みですね。


ゲームプレイの映像を観ると、2回「いいね!」を確認できたが、どういう仕組みなのか?

小島:

まず他人が置いたものを利用すると、自動で「いいね!」が送られます。
たとえ送りたくなかったとしてもです。
ちなみに、これについては北米モニターの人にだいぶ反発されました。
いいね!を勝手に送るのはやめてくれ」と。


理由は、彼らはチップ文化だからです。
アメリカ人は対価のためにサービスをしますが、日本はおもてなしの精神ですよね。
ですから、デスストランディングには西洋と東洋の両方の文化が入ってます。
「よくぞ、ここに置いてくれた!」という場合は、さらに「いいね!」が送れるようになってます。


どうして「いいね!」要素をゲームに入れたのか?

小島:

一番思っていたのは、全然ゲームが変わっていないということです。
ゲームがオンラインになって、無人島で戦ったり、協力して共通の敵を倒したり、
それはそれで面白いんですけど、その先が無いじゃないですか。


皆さんが必要としないから作られないのか、そういうゲームが存在しないから
必要かどうかの判断がつかないのか分かりませんけど…。
僕の役割としては、メタルギアでステルスゲームを創ったときのように、
やはり新しい世界を見せたいと。それで今回は『ストランドゲーム』と呼んでいます。


繋ぐを意味するものとは?

デスストランディングのミッション依頼シーン
小島:

デスストランディングは、繋ぐということをゲームでやります。
それは親と子、生と死、都市と都市、ネット上の誰かと自分、
ノーマン・リーダスのファンとマッツ・ミケルセンのファン、
星野源のファンと三浦大知のファンを繋ぐとか。


では繋ぐとは何なのか? 繋ぐとは責任を取ることです。
そしてそれはとても厄介であると。結婚もそうですし、友達とも頻繁に会ってたら喧嘩もします。
今のネット上のコミュニケーションは、その責任を取るという誓いもなく
攻撃し合っている状態です。


デスストランディングでは、距離は置くものの、繋がりができてくると、
そこは責任を負わないといけなくなる。そういうシチュエーションがゲーム内で起こります。
どこかで知り合って、繋がったということは、知らんでは済まされません。
だから厄介なんですよ。


アメリカを繋ぐということもそうですし、人それぞれの繋がりって
身の回りであるじゃないですか。学校の先生とか先輩、後輩、彼女や親とか。
日本は分断してませんけど、そういう自分の繋がりというテーマに
どこか引っかかるはずなんです。


デスストランディングの世界にはBTという常人には見えない、あの世の存在がいる。
万が一そいつらと接触して食われると、その一帯がクレーターになってしまいます。
ですから、一般人は外には出られず、隔離された地下で暮らしているんです。


サムたち配達人が荷物を届けても、出迎えてくれるのはホログラムで、中に入れてくれない。
そういう経験をしながら、でも褒められて繋がっていく。
そんな中で、物を届けるというのは未来なんです。


その未来を信じて、届くかどうかも分からない荷物を待っている人がいる。
今のネット世代の人達も、そういうのを経験しながら、何となく分かってくるかもしれません。


デスストランディングの舞台をアメリカにした理由は?

デスストランディングの舞台
小島:

アメリカではあるんですけど、どこにでも当てはまるように作ってあります。
ゲーム中でアメリカの特定の地名は出していないんですよ。


見た目は生まれたての地球みたいな感じですよね。
いわゆるアポカリプスものの荒廃した世界ではなく、時雨というものが降ると
全てを溶かして、原始の地球のようにしてしまうという設定です。


そこをたった独りで道無き道を行くので、他人の足跡があるとめちゃくちゃ嬉しいんですよ。
それでついて行ったら崖から落ちて、荷物が潰れたこともありました(笑)


アメリカ大陸の東海岸から西海岸へ進むが、行ったり来たりできるのか?

小島:

東から西へ都市を繋いでいくうえで、点と点の繋ぎ方は人それぞれです。
カイラル通信が繋がった範囲で寄り道をしたり、道を整備して車で大量輸送したり、
はたまた単独で暮らすプレッパーズはいろいろなところに点在している。


マップが歯抜けになったりするでしょうけど、それ自体は問題ないです。
100%マップを繋ぎたい人は全員に会いに行ってください。


他人が置いた物や足跡が、自分のフィールドにどう反映されるのか?

フィールドに設置してあるロッカールーム
小島:

他者の追跡は、カイラル通信が繋がらないと反映されません。
そのため、まずは自分自身の力で目的地に辿り着き、カイラル通信を繋ぐ必要がある。
当然、初めて歩くエリアには他者の追跡はありません。


どのくらいの人数と共有できるのか?

小島:

全てプログラムで制御されていて、他のプレイヤーとのコミュニケーションが
多いほど追跡がたくさん出ます。
コミュニケーションが少な目の人はあまり出ません。



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