第一章 光と影

第一章 光と影

神室町のソープランドで生まれた春日一番は、両親の顔さえ知らずに育つ。
15歳の時、命を救ってくれた極道・荒川真澄に惚れ、荒川組の門を叩く。
以来、荒川を「親っさん」と慕い、忠誠を誓って生きてきた春日。


2001年1月1日。荒川組若頭・沢城丈が殺人事件を起こし、
その罪を被って出頭してほしいと荒川に頼み込まれる。
春日は親っさんへの恩を返すため、喜んで出頭するのであった。



第二章 血の再会

第二章 血の再会

2019年。春日は18年の刑期を終えて出所するが、組の迎えは無い。
代わりに神奈川県警の足立と名乗る男が現れ、変貌した極道情勢を語る。


足立の話では「神室町3K作戦」という警察の施策により東城会は崩壊し
関西の極道組織・近江連合に支配され、その裏では荒川真澄の暗躍があるというのだ。


到底信じられない春日は真意を確かめるべく荒川の元へ。
再会した荒川は春日に銃口を向け、躊躇いもなく引き金を引いた。



第三章 どん底の街

第三章 どん底の街

春日は横浜・伊勢佐木異人町のホームレス街で意識を取り戻す。
慕っていた荒川から撃たれたことに心を痛める春日。
春日の傷口は元看護師のホームレス・ナンバによって処置されていた。


無一文の春日はナンバと共にハローワークへ行き仕事を探すことに。
春日とナンバは紹介されたスナック用心棒のバイトをきっかけに、
浜子という女性が経営する小料理屋の二階に住居を得るのであった。



第四章 横浜の龍

第四章 横浜の龍

春日とナンバ、そして平安樓での一件で懲戒免職となった
足立が加わり3人で職探しをする。
乙姫ランドというソープランド従業員となった彼らは、
店長の野々宮に頼まれ菜乃葉という在籍嬢のトラブルを解決することに。


その過程で春日達は異人三の一つ、横浜の極道組織・星龍会本部で星野会長と出会う。
菜乃葉のトラブルが一件落着し、乙姫ランドへ報告しに戻る春日。
そこで待っていたのは、首を吊り冷たくなった野々宮の死体だった。



第五章 流氓の男

第五章 流氓の男

菜乃葉には紗栄子という野々宮が経営するキャバクラで働く双子の姉がいた。
紗栄子の話から野々宮は中華マフィア・横浜流氓の馬淵により
殺された可能性が高いようだ。


野々宮の仇を取る為に春日らは紗栄子と行動を共にし、馬淵を探すことに。
馬淵の経営する貿易倉庫に潜入した春日達。
そこで不正の手がかりを見つけ馬淵を呼び出そうとするも、
あと一歩のところで横浜流氓達に見つかってしまう……



第六章 戦禍の銃爪

第六章 戦禍の銃爪

横浜流氓に捕まり監禁された春日達だったが謎の男に助けられなんとか脱出。
異人町は星龍会・横浜流氓・韓国マフィアの三勢力が拮抗することで
「肉の壁」が形成され他の組織が手を出せずにいたが、
馬淵は星龍会の若衆や野々宮を殺しその均衡を崩そうと画策していた。


このままでは異人町で大抗争が起きてしまう。
横浜流氓総帥である趙天佑は馬淵の企みが事実かどうか、
韓国マフィアのコミジュルから情報を聞き出すしかないと言う。



第七章 蜘蛛の巣

第七章 蜘蛛の巣

コミジュルに乗り込んだ春日達。
コミジュルは異人町中に情報網を張っており、
異人三のバランサーとしての役割を担っていた。


コミジュル総帥のソンヒから馬淵が野々宮を殺した確固たる証拠を得た春日だが
同時にナンバの正体についても知る。
ナンバはコミジュルにさらわれた弟を探すため、ホームレスとなり偵察をしていたのだ。


春日と共にいたのも弟の手がかりになると考えたからだった。
正体を明かしたナンバは春日の前から姿を消す。



第八章 漂泊の裏側

第八章 漂泊の裏側

肉の壁が長い間平和を維持できたのは、
偽札によって地元の政治家・荻久保を支援していた為と分かる。
だが、異人町侵略を狙う近江連合がNPO法人のブリーチジャパンを使って
偽札のからくりを暴こうとしていた。春日らはブリーチジャパンの事務所に乗り込む。


そこで春日は、団体の創設者が現東京都知事・青木遼であることを知る。
初めて青木の写真を見た春日。その顔は荒川真澄の一人息子・真斗と瓜二つであった…



第九章 砂上の楼閣

第九章 砂上の楼閣

荒川真斗は十数年前に青木遼という人間に成り代わり、
政界進出を果たしたのではないかと春日達は考えていた。
その頃、コミジュル内の偽札製造施設を暴く為にブリーチジャパンの皮を被った
近江連合が乗り込んで来る。


春日らは侵入を防ごうと立ち向かうも近江連合の若頭補佐である
石尾田らを相手に苦戦を強いられる。
ソンヒは偽札と荻久保との繋がりを知られる訳にはいかないとし、
証拠隠滅のために施設を焼き払うという苦渋の決断をする。



第十章 恩威並行を忘れず

第十章 恩威並行を忘れず

ブリーチジャパン代表・小笠原の尋問により、
青木遼と荒川真斗は同一人物であることが分かる。
青木は近江連合を資金源としており、近江の異人町進出は 青木の指示だった。


そして青木の思惑通り、肉の壁内でクーデターが勃発。
春日達はハン・ジュンギと共に死闘の末ナンバの助けもありクーデターを鎮圧。
横浜流氓総帥の趙を救出した。


安堵の中、春日の弟分であったミツが現れ
「荒川真澄が近々あるバクチを打つため、多くの仲間が必要になる」と告げた。



第十一章 喧嘩の勝算

第十一章 喧嘩の勝算

春日は知事である青木が異人町に来たタイミングを見計らって接触を試みる。
青木は18年前に春日が出頭したのは、
沢城ではなく青木こと荒川真斗の身代りだったことを告げる。


驚きを隠せない春日に対して青木は更に「二度と荒川真澄に近づくな」と忠告。
しかし春日はその要求を突っぱね、青木との交渉は決裂。
春日達は異人町の為に戦う決意をするが、
それは日本の表と裏の頂点と戦うことを意味していた。



第十二章 極道の終焉

第十二章 極道の終焉

荒川が大阪・蒼天堀に向かったとの知らせを聞き、趙を仲間に迎えて春日達もその跡を追う。
近江連合本部に潜入した春日は荒川と再会し、
更に堂島大吾などかつての東城会幹部達から真相を聞かされる。


現代極道の在り方に疑問を抱く。彼らは、近江連合の解散を目論んでいた。
春日もそれに賛同。翌日大吾らと志を同じくする近江連合本家若頭の渡瀬勝が解散を宣言をする。
解散反対派の組員達と激戦を繰り広げ、解散届が提出された。
春日は荒川と共に横浜に帰るが……



第十三章 コインロッカーベイビー

第十三章 コインロッカーベイビー

荒川の死体が横浜港に浮かび、悲しみに暮れる春日。
春日は青木と接触する為に自ら衆議院選挙に出馬することを決意。
そんな折、星野が危険との情報が入り星龍会へ向かった春日が目にしたのは、
星野の死体とその横で煙草を吹かす沢城丈の姿だった。


激闘の末に、沢城は青木遼こと荒川真斗の出生に際して取り違えが発生していたことを明かす。
真斗の本当の父親は沢城だったのだ。
そして、荒川真澄の本当の息子は春日である可能性が極めて高いと言い残す。



第十四章 伝承

第十四章 伝承

青木への怒りで我を忘れる春日。
そこに伝説と呼ばれた元極道・桐生一馬が現れ、拳で春日を落ち着かせる。
冷静さを取り戻した春日は、荒川殺害に手を下した可能性が高い
近江の幹部の石尾田が異人町に潜入していることを知る。


石尾田が潜伏するビルのアジトに乗り込む春日。
そこで荒川を殺害した真犯人は別の幹部・天童であることが判明する。
そして次の瞬間、天童の仕掛けた爆弾が爆発し、春日達は煙の中に消えてしまう。



第十五章 成り上がりの果て

第十五章 成り上がりの果て

春日は間一髪のところで爆発から逃れて生きていた。
ミレニアムタワーの荒川組事務所へ天童をおびき出し、荒川の仇を討つ春日。


そしてそこに乗り込んで来る青木。春日は死闘の末に青木に打ち勝つ。
春日の必死な声に耳を傾け笑みを返す青木だったが、
ブリーチジャパンの正義を妄信する久米の刃により命を落とす。


青木と近江連合の野望は幕を閉じた。
一方、春日は仲間達と共に異人町で生きていくことを誓うのだった。



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