FF15開発スタッフインタビューまとめ

第2ビジネス・ディビジョン・コミュニティチームによるFF15公式ブログのインタビュー内容です。
日本ではFF15公式フォーラムがクローズされて、その代わりFF15公式ブログが開設されました。
FF15の開発・新情報・イベント関連を毎週火曜・金曜日にFF15公式ブログにて投稿されてます。


コミュニティチームとは田畑ディレクターの命により生まれたチームで、
FF15開発チームとファイナルファンタジーファンを繋ぐ窓口の存在だそうです。
コミュニティチームのリーダーのミッツー(光岡氏)、タジー(田島氏)による2名によるスタッフが、
FF15開発スタッフにあれこれとインタビューしてます。


■記事詳細


ENVアーティスト『佐々木啓光』氏へのインタビュー

■前編

業務内容は?

ダンジョンチームでリードエンバイロメントアーティストをやっている。
environment、背景班でENVと略している。

今はどんな業務をしているのか?

ダンジョンのライティングや質感の調整をしている。
光と影のバランス、触ったら痛そうな岩、滑りそうな地面など。

注目して欲しい部分は?

ダンジョンでいえば暗い・怖いの中にも美しさを忘れず、
ユーザーの記憶に残るものを目指している。


それとダンジョン以外にレギュレーション(ルール)という
エグイのも担当しているがゲーム世界には多々ルールがあり、
そのルールを調整している。

歩いて乗り越えられる高さや、坂道の角度などのルールなど。
そしてFF15はそのルールの部分をまあまあ攻めている。


例えば角度。
モンスターを設置する際はフラットな場所でバトルすることが多いが、
FF15は傾斜のきつい自然地形でもバトルが可能になっている。

そういう意味でFF15は攻めているので、
角度一つでもそのルールに対して論争が巻き起こる(笑)

論争とは?

ルールを攻めれば攻めるほどキャラクターや敵の挙動を
制御できない部分が多くなる。よく見ると絵がおかしかったり、
攻撃が当たらずバトルが成立しないこともある。


「小さな絵の破たんよりもゲームプレイの気持ちよさを優先したい、
でもそうすると絵が…」という論争が巻き起こる。


クオリティ的にどうしても譲れないぶつかり合いがあるが、
でもそこが面白い。ぶつかり合う度に話し合い自然とチームが1つになる。
結果的にクオリティも向上する。


■後編

ロケハンとゲーム作りに
どんな関係があるのか?

我々のロケハンは体験することが目的の場合と、
素材を撮りに行く場合の2つのパターンがある。


岩の場合は後者で、最近は写真から立体を生成するフォトスキャンという
手法のために全方位のデータが必要になる。
PS3時と比べると素材データが10倍以上になり、
その分クオリティもスピードも上がる。


事前に情報収集し、欲しいデータを明確化して行けばそんなに大変ではない。
例えばデスク作業で3日かかっていた部分が、
ロケハンにより半日で終わることもある。

Twitterの岩も頭の中で
明確化されていたのか?

頭で描いていた岩に近いものでした。
あの岩のように良い素材を用意することでコストを抑えつつ
クオリティの高い世界を構築し、よりリアルに感じられるよう心がけている。


岩だけでなく、その土地が持っている歴史や物語も大切にしている。
FF15では山脈や川の流れなど大陸の設計から行うことで、
その土地の気候や風土が実際に存在してもおかしくないレベルに仕上げている。

地球でいうとプレートが
移動して大陸が分裂した
ようなことがFF15でも
起きているのか?

その通りです。
なのでロケハンで撮ってきた素材をそのまま配置するのではなく、
この地域は昔こうだったから、この地形はこうなるといった具合に、
実際に使うシチュエーションに合わせ加工している。

最後に一言お願いします

いつも応援ありがとうございます。
あまり開発の中身を知ってもらうことはないので、
このような機会でFF15開発の裏側を知って興味を持っていただけると嬉しいです。



UNPCデザイン『川口薫』氏へのインタビュー

■前編

FF15アート開発体制について

FF15の2Dアーティストの仕事は一言で言うと絵を描くこと。
FF15アート班は10名おり、手分けをしてゲーム内に登場する街や住人、
モンスター・車・小物などあらゆるものを描く。
その絵を元にゲーム内のCGが作られている。

UNPCはアンネームド
ノンプレイヤーキャラクタの略。
NPCはよく見聞きするが、
そのまま名前が「ある・なし」
ということなのか?

開発内ではNPCを『NNPC(ネームド)』と、
『UNPC(アンネームド)』という風に2種類に分けて呼んでいる。

物語に関わってくるような人をNNPC、その他大勢の街の人をUNPC。
酒場の店主タジーはNPC、肉屋のおじさんはUNPCみたいな(笑)

今はどんな業務をしているのか?

アートは上流工程なので本編作業的には大体終わっている状態だが、
それ以外に突発的な発注が来たりするので今は何でも屋状態。
まさか、インタビューまで来るとは予想しておりませんでした(笑)

注目して欲しい部分は?

服装からその街で暮らす人の生活感や街の文化を感じてもらえるような
デザインを心がけているのでそこに注目してほしい。


「こういう人近所にいるよね」とか「こういう服持ってる!」って
共感してもらえるようにデザインしている。
その街にいても違和感なく、悪目立ちしない普通の服にしている。

普通って実は難しくないですか?
T-シャツにGパンのような
ありふれた服装だと
差別化出来ないというか…

とても難しいんです。
差別化という意味では服の素材や質感、着こなし方を変えている。
ゲームの解像度の関係で服のボタン、裏地、ポケット、金具まで
素材の質感を考えてデザインしている。


スーツと言えば、スーツを着ている人に尻ポケットの付き方を
見せてほしいって取材したりしました…。
自分が普段着ている服も知らないことが多いということが分かった。
すごく…緊張しました…

ちなみに今のような
裏話って他にもある?

UNPCをデザインする時、自分の中で裏設定を考えている(笑)
お金持ちのおじさんだから良い生地の服を着ているのかなとか、
ちょい悪だからシャツも第3ボタンまで開けてるんだろうなみたいな…

裏設定、楽しそうです(笑)
FF15の街中で人間観察したくなった

楽しいですよ!
このちょい悪おじさんは第3ボタンまで開けてるから
胸毛が生えているぞ…と思って胸毛を増やしたりとか…(笑)


街行く人、一人一人にストーリーがあって服の着方でも
性格の違いが出てくると思うんです。
シンプルだからこそ素材や着こなし方で差別化出来るといいなと
思いながら描いています。


■後編

UNPCのデザインで難しく感じた点、
面白いと感じた点は?

難しい点はモーション等の都合で作成出来る服の形状…
丈の長さなどある程度制限があるので、
その範囲内でどれだけ違いを出せるか悩んだりした。


あとは男性の一般的な服装が上はT-シャツかボタンシャツ、
下はGパンか綿パン…他何かある!?みたいになり、
女性に比べて全体のシルエットに差が付け辛くて悩んだ。
唐突に尖った服を着せる訳にもいかないですし(笑)


面白い点は実際にモデルができてゲームの街中に配置された時に、
UNPCがお茶していたり屋台で何か売っていたりするのを見ると、
「あー皆ちゃんと生活してるなー」って嬉しくなること(笑)


体験版だとチョコボポストのカップルが喧嘩した上に
男性が張り倒されていて、こんな性格の子になったのかと(笑)

UNPCの素体数、
バリエーション数はどのくらい?

素体数についてはお答えできないが、UNPCのバリエーションについて
ざっくりで説明させてください。


FF15内のオルティシエという街だけでも老若男女合わせて
100種類以上のUNCPがいて組み合わせなどで、
今までのFFにはない街並みが出来上がってきている。

最後に一言お願いします

アートはゲームのプロモーションとの関係で出せない情報が多く、
その分見せられないものが増えてしまいますが、
スタッフ一同、完成に向けて頑張っていますので
皆さん楽しみにしていてください!



タジーの未知の開発エリア潜入レポートPart2【どうしてL.Aなのか編】

2016年3月30日19時にアメリカのロサンゼルスでUNCOVERED FINAL FANTASY XVが開催されます。

詳細:http://www.finalfantasyxv.com/uncovered/us/


そこでFF15公式ブログのタジー氏が、FF15は日本のゲームなのに「どうしてL.Aなのか」という
もやもやした素朴な疑問をFF15に関わるスタッフに聞き、回答を集めたそうです。
言われてみれば「あら不思議!」 日本でやれよという意見も分かります。


回答者 返答内容
マネージメントスタッフ 北米の場合は色んな大きなショーもやってるし会場の選択肢も多いからなぁ。
開発スタッフ 世界中の人に遊んでもらうためかな。
宣伝スタッフ リアルなこと言うとヨーロッパも日本も軽視してるわけじゃなくて、
たくさん待たせてきたからイベントを一人でも多くの人に楽しんでもらうため、
時差を考えてL.Aを選びました。
営業スタッフ 観客収容数とその会場のステータスを兼ね揃えていて、
イベント開催期間に抑えることが出来るという条件を満たしていたって聞いた。
ミッツー 単純に考えてアメリカって人が多いからじゃない?
その他 今、ゲームが一番売れてるのが北米だから。
日本はネガキャンが多いからじゃない?
ものの良し悪しを推し量られる世界のデファクトスタンダードだからかなぁ…。
エンタメと言ったらハリウッドだからでしょ。
NYも候補であったらしいけど3月は天候がイマイチだったから。
海外の方が伝えたいことが伝わるからね。
E3もL.Aじゃん。
田畑D FFを挑戦者に戻すためだよ。

話を聞いた結果、
タジー氏のもやもやした疑問が消えることはなかったw



破壊担当『高橋』氏へのインタビュー

積み木は基礎編:破壊担当とは?


破壊担当はゲーム内のあらゆる破壊表現を作成している。
ゲーム内で岩が転がったり、建物が崩壊するときの『崩れる』を表現するため、
積み木で初歩的なテストが必要だった。
物理挙動の基礎を作るのに試行錯誤した結果、イメージのしやすい積み木に行き着いた。


積み木が崩れるといっても、キャラクターが体当たりして崩れたり、
魔法を使ってくれたり、武器で攻撃して崩れたりと様々ある。
その違いを表現するために、積み木の重さ、摩擦、転がりやすさ、滑りやすさ
のパラメーターを入れたシュミレーションを作った。


それによりゴミ箱が倒れる時のような小さな崩れ方や、
建物が崩壊した時の大きな崩れ方の基礎を作り出している。



ライティング担当『津村』氏へのインタビュー

タジーの未知の開発エリア潜入レポートは今回で最終回。
今回はライティングを担当している津村氏のインタビュー。
ヘッドマウントディスプレイや反射率測定器を、自宅で作って研究するほど徹底している。


津村氏は主にFF15で空を作ってるお天気担当。
社内では津村氏がまとめた資料および講義などを津村ラボと呼ばれているのだとか。


FF15の世界は、現実世界と同じく24時間ある。
時間の流れを作るために太陽や月、朝と夜があるように現実世界に近いものにする必要があった。
そのため、まず太陽と青空のみでゲーム内の空が正しくシミュレートされているかを確認し、
その情報データをゲームい落としこむ作業を行っている。


ただ落とし込んだだけでは光の入り方がおかしくなるため『Sky System』という
FF15の空を構築するシステムを使って調整を行っている。
現実世界では朝、昼、夜という時間の変化で光の差があり、1分1秒同じ瞬間はない
また太陽と月の明るさの差は40万倍もあり、人が感知できるレベルではない。


FF15では月と太陽の明るさの差を10万倍以上に設定されている。
ただそれだけでは光の再現にはならず、光の露出をSky Systemで調節している。



筋トレとゲームクリエイティブの関係性について

公式ブログで3つのお題『ドット絵タペストリー(仮)について』『筋トレとゲームクリエイティブ
の関係性について』『あなたはどっち? チョコボ派orカーバンクル派 ~FFXV開発スタッフに聞いてみた~』
の中から、どのお題をレポートしてほしいかユーザー投票を行い、
結果『筋トレとゲームクリエイティブの関係性について』が選ばれました。


今回のインタビューは複数いる。アーティストの佐々木氏、3Dモデラーの川島氏、
キャラクターの顔の動きを担当している岩淵氏、物理ベースアニメーション・プログラマーのセイベン氏、
ゲームデザインセクション・マネージャーの志田氏、VFXの小山氏、環境システムアーティストの七瀬氏、
リードアニメーターの大江氏など。


川島氏

現在はモンスター作成をしているが、キャラクター作成もしていたので人体構造について研究している。
モンスターを作る際にも人体構造の理解が役に立つ。
筋肉や骨の仕組みなどのリアルな構造を把握しておくと、リアルでない表現にも応用が可能になる。


ハイエンドCGの分野で筋肉をシミュレーションする機能があるが、
今のコンシューマ機ではそこまで計算はできないので
アーティストが表現しなければならない部分がまだまだある。


例えばタイタンがアクションをする際に、より気持ちのいい形状になるように調整を加え、
大地を殴る前に腕を振り上げる動作をするが、肩甲骨や僧帽筋が連動して動いている。
筋トレをしていると、この動きの時にどこが「効いているか?」の理解度が高くなる。


頭で想像するだけでなく体感知識として蓄えているので、
ここの筋肉のシェイプはもっと盛り上げたほうが効果的だとか、
ここはやりすぎるとリアルじゃないなど判断をすることができる。

岩淵氏

作業しているフェイシャルアニメーションは、キャラクターの感情を表現するために顔の表情を付ける仕事。
表情筋は人によって付き方が異なる。例えば老人だと顔のシワの入り方は、眼の動きに合わせて
シワが動くなど様々ある。また同じ年齢でもキャラクターによって喜怒哀楽の表情が異なる。


子供なら表情を大きく変えることを意識している。
子供特有の分かりやすい表情に愛着が湧くので、かわいいなと思えるように
あえてデフォルメを利かせている部分がある。
コル・リオニスの場合は渋さを表現するため、眉間に深くシワを寄せたりしている。


自分の顔を鏡で見ながら作成することもあり、頬の筋肉の持ち上がり、頬の起点となる部分、
目線の動き、瞳のブレ、眼の瞬きの速さなども参考にしている。
表情筋を集中して鍛えることはないが、筋肉への理解を深めることでリアルな表現を生むベースになっている。


とはいえ、現在は顔の表情を読み取ってアニメーションさせる『フェイシャルキャプチャー』があるので
そちらがメインになる。どうやって動かそうと色々考えすぎて全部詰め込もうとして
上手くいかないこともあり、第三者的視点で見ることが必要になる。

セイベン氏

キャラクターの動きを物理的にシミュレーションしている。
物理的に正確な挙動を再現して様々な計算や仕組みをプログラミングしているが、
アーティストやゲームデザイナーは必ずしも正確さを求めているわけではない。


リアルな人の動きでは足りず、映画的というか演出が必要になる。
例えば銃で撃たれると倒れるが、倒れないように挙動しているオーダーなど。
キャラクターが倒れてうずくまれば全然快適じゃない。
なので、ゲームプレイとのバランスのため無視しなければならない。


モンスターの場合は、作成するときに動物の動画を参考にすることもあるが、
実際に自分で動いてみる。その際に足の力のひり具合などバランスを感じながら制作するので、
自分の筋肉の構造や動きを理解するためにも筋トレは重要です。

志田氏

コンバット、仲間、エネミーといったゲームシステム関連を担当している。
マネージャーはプロジェクトを推進させることが仕事、同時にムードメーカーでもある。
なので誰よりもエネルギッシュな存在であるめに筋トレをして体を鍛えている。
よく勘違いされるが筋トレは趣味ではなく、ポジティブ精神と行動で開発推進のためにしている。

小川氏

VFXの作業自体は筋トレと直接関係ないが、仕事を始めて急に太ったので筋トレをやり始めた。
筋トレだけでは駄目で筋トレ・食事・睡眠というサイクルが必要になるが、
ゲームクリエイティブも同じで、モニターにずっと向かっているだけでは駄目です。
友達と話したり、良い映画を見たり、休息したりとサイクルすることが重要になる。

佐々木氏

ベンチプレスで目標が100kgは凄いことだが、数字はそれほど重要ではない。
例えばギリギリ10回上げれるかどうかの重さをを使って10回頑張るという負荷が、
筋肉を効率よく成長させると言われている。


なので、初心者でも熟練者でもトレーニングの辛さは一緒だということ。
隣で凄い重量を上げている人がいると、自分は駄目な方だと恥ずかしがるかもしれないが、
全然気にする必要はない。人と比べる必要がない。
なぜならレベルや目標はそれぞれ違っても、一生懸命ベストを尽くしているところはみんな一緒だから。


筋トレに限らずベストを尽くして頑張っている人の姿というのは、すべからく美しいですよね。
そういった美しい姿を見ると自分も上がるし、アーティストとしてインスピレーションを刺激される。

七瀬氏

FF15では天候や環境変化の仕組みを整えたり、ライティングをしたりしている。
僕は格闘技をしているが、格闘技は自分の動きの無駄をいかに削ぎ落として最適化できるかが重要です。


これは普段FF15で行っている作業と似ている。
例えばライティングを行う際に、複雑な計算をすれば見た目は綺麗になるが処理が重くなってしまう。
処理が重いとゲームプレイに影響が出るので計算の工程をシンプルにして無駄を省き、
クオリティーを担保しつつ処理の最適化を図っている。

大江氏

僕は疲れるから筋トレはしない。でも毎週30km走っている。
アニメーターは振付師みたいなもんだから、まずは自分が動けないとね。

Q&A
  • Q:健康とクリエイティブな部分がどう関係しているのか?
  • A:「健全な肉体には健全なクリエイティブが宿る」という言葉があるように、
    プロとして最高のパフォーマンスを出せるよう日々筋トレをしている(佐々木)

  • Q:皆さんはタイタンクラス(田畑Dクラス)の二の腕を目指しているのか?
  • A:当然腕も鍛えているが全身のバランスを重視している。まず鍛えるのは背中と胸と下半身(志田)

  • Q:筋トレと仕事の両立により生まれるプラス面とは?
  • A:筋トレは人をポジティブにする。努力すれば必ず結果が出る筋トレは、小さい成功体験の積み重ね。
    また心身ともにリセットしてくれる筋トレは頭の切り替えにも最適(志田)

  • Q:グラディオのように筋肉が特徴のキャラをユーザーに見せるにあたり、どこにこだわっているのか?
  • A:シンプルで直感的に分かりやすい動きが第一。アクロバティックな動きで誤魔化さず、
    シルエットで体のラインが目に残るように作っている(大江)

  • Q:1日の筋トレのノルマを決めているのか?タジーは筋トレしてるの?
  • A:僕の場合3分割法なので例えば下半身の日は10×6セットをノルマとしている(佐々木)
    タジーは筋トレの談義後から始めた(タジー)

  • Q:タイタンの筋肉がもの凄いけど、あの筋肉の付け方にこだわりがあるのか?
  • A:1本1本の筋のカットを変えることで生々しさが強調されるように気をつけている(川島)

  • Q:骨格を作るときは、標本や本を見て組み合わせているのか?
  • A:実際の構造を元に考えているが、アレンジ付けする際は色んな資料からヒントを得て
    組み合わせている(川島)

  • Q:一番凄い筋肉の持ち主は田畑Dか?
  • A:異議ありません(一同)


リードAIリサーチャー『三宅』氏へのインタビュー

テクノロジー推進部・リードAIリサーチャーの三宅氏のインタビュー。
AIとは人工知能のこと。様々なキャラクターやモンスターに個性や知能を持たせ、
まるで知能が宿っているかのように制御している。


キャラクターやモンスターへのAI付けの解説

人間の持つ自然な知力を一つ一つ形にしてキャラクター内に積み上げていくことで、
より人間に近い知能へと近づかせていく。
FF15の開発ではAI技術が、1体のキャラクター毎に20~30個ぐらい積み上げている。
以下のAIをキャラクターに知能を成熟させてゲームの世界に馴染ませていく。


■AIの種類
  • AI Graph:意思決定を行う
  • パス検索:目的地への経路を計算する
  • モーション解析:モンスターが自分の運動範囲と性能を自覚する
  • 戦術位置検索:地形、敵・味方の位置状況を考えて、どの場所が危険・安全かを認識する

キャラクターの知能を作る際は、そのキャラクターは世界でどのような役割を持っているのか、
またどのような生活をしているのかを想像しながら作っている。
小説家が登場人物の描画を考えるように、キャラクターの生い立ちや背景、モンスターの生態など、
プログラムやツールを駆使して少しずつ積み上げながら知能を作っていく。


それによりモンスターたちはその場所で生きる存在として、
その場の状況に応じた行動を自ら決定して行動を起こす。


例えばプロンプトがベヒーモスと遭遇したとすると、プロンプトは自分のいるべき行き先を決めるため、
地形、敵・味方の位置状況を考え、どの場所が危険で、どの場所が安全かを認識する
戦術位置検索(Point Query System)というAIを用いている。
激しく変化する環境の中で、自分の立ち位置を自分で決める能力を持っているのです。


ゲームの世界、キャラクターの息吹を感じて体験してほしい

僕はキャラクターたちにそれぞれ個性を持ち、希望や欲求を持ち、ゲームの世界で生きて欲しいと思う。
そのためキャラクターに合ったAIを持たせ、ファイナルファンタジーの世界の中で、
苦楽を共にして生きて欲しい。そしてプレイヤーと同じ時間の中で精一杯生きて欲しいと願っている。


FF15には美しい丘、河、太陽、山脈、せせらぎ、雷鳴、街の喧嘩、車のクラクション、
野原には咲き誇る花々がある。
そのような世界を認識し、そこに生きるキャラクターやモンスターたちで満たされることで
ゲームの世界はより豊かな生命に満ちた世界になる。


主人公の仲間をはじめ、モンスター、ボス、敵兵士などそれぞれ背負っている宿命、
守りたいもの、掴みたいもの、生きている世界、辿り着きたい場所があってはじめて存在している。
モンスターの形、キャラクターの服装、言葉遣い、文化は一つの世界にあり、生き抜こうとしている。
そんな世界とキャラクターたちの息吹を、ゲームプレイで感じていただければ幸いです。



E3のAfrojackトレーラー編集担当『加藤秀和』氏へのインタビュー

E3 2016で放送されたAfrojackトレーラーは、加藤秀和氏が編集したもの。
加藤氏はアニメーターから始まり、キャラクターリギングやカットシーンレイアウトを経て、
FF15ではカメラ関係をメインに担当している。


ある時はカメラレイアウター、アニメーター、プログラマー、動画編集者と幅広く活動しており、
ATR7.0に公開されたニフルハイム基地へ侵入するバトルフッテージのトレーラーも彼が編集を行った。


通常トレーラーというものは、FF15開発外部の編集スタジオにて行われることが多い。
しかし、バトル映像は開発チームとの密接な連携が必要になってくるので、
FF15開発外部に任せる流れだと、日々の環境、仕様、要求が変化するので外部制作では追い付かなくなる。
そのためバトルフッテージやAfrojackトレーラーは、FF15開発内部で制作された。


Afrojackとのコラボについて

加藤氏が田畑Dに新たな動画編集を依頼され、『とにかくアドレナリン全開にさせるバトル動画』を要求された。
仮の曲を受け取り、Uncoveredトレーラーの仮素材などをかき集めて3日ほどで完成させた。
その開発名称は『Xtreme(エクストリーム)』と名付けられ、E3トレーラーのプロトタイプとなった。


ある時、世界的DJであるAfrojack(アフロジャック)の日本公演があり、
来日したAfrojackはFF好きなので「FF15を遊びたい」とスクエニのスタジオに来訪したところに、
加藤氏が田畑Dに呼ばれて「E3トレーラーはNick & Hideでお願いね」と頼まれたのが始まりだった。

ちなみにAfrojackはFF10を4周プレイするほどのFF好きで、
自分の曲でFF15を知らない人たちにも魅力を伝えられるよう協力したい」と言ってくれた。
丁度E3の時期で、オフィシャルトレーラーの曲をこれから作るからという流れでコラボが決まった。


トレーラーの編集の日々

すでにプロトタイプがあるとはいえ、曲が変われば編集も変わる。
流れを固めるために、デモ曲を乗せて田畑Dとマンツーマンで仮編集を行った。


大まかな構成を固めることが重要なので、丸一日ぶっ通し編集を行った。
トレーラー最後のアーデンと東京都庁のシーンは、この時点で内容がほぼ固まった。
バトル部分の制作は「Nick & Hideに任せた!」と言い、田畑Dは加藤氏に託して去った。


本素材が必要だったので、「アドレナリン全開!!」を実現するために素材撮りを行った。
バトルシーンでは「こう動いて欲しいんだよ」と言っても動いてくれないので、
満足な画を撮るために何テイクも重ねて撮影を行った。
プログラムは日々大きく更新されると同時にバグも増え、良い画が撮れたのにバグったことも多かった。


物作りの課程でよくあることだと思うが、色々こねているうちにシックリ来ずに、
よく分からなくなってくることがある。今回も一度その状態に陥った。
田畑Dに「どうでしょう?」と見せたら、「これ?まったくテンション上がらないねw」と感想を言われ、
一度自分の中で大きくテコ入れすることになった。


そして冒頭の雄大さから徐々にテンションを上げて、ピークを保つためにかなりの調整を行った。
最初の要求が変わったり、別のシチュエーションが必要になったりと、素材の更新と追加が続いた。
一部開発メンバーに手伝ってもらい、撮影と編集を並行させ、
1フレにこだわれないやつは死ね」という言葉を思い起こしながら踏ん張った。


オーディオミックス作業

編集はそれでOKが出て、オーディオミックスは今回は加藤氏が任されたことで、
サウンドスタジオで踏み込んだチェックバックを繰り返した。
曲を立たせるところや抑えるところ、キーになる効果音などをリクエストをして、
より音と映像が一体となって体の芯に響くものを目指し、公開場所に合わせて最適な形に仕上げた。


最終的な微調整を経てようやくE3トレーラーが完成した。
完成してみればわずか2分強の動画だが、その何十倍もの映像がボツとして陰に隠れています。
トレーラー制作とはチームの成果を預かり、それを世に送り出す仕事だが、
その責を果たせたのはFF15チームが無茶振りに応え、支え続けてくれたおかげです。



テクニカルアーティスト『岩渕栄太郎』氏によるSIGGRAPHの紹介

2016年7月24日~28日に、アメリカのアナハイムでSIGGRAPH(シーグラフ)が今年も開催された。
SIGGRAPHとは、コンピューターグラフィックスの国際学会のこと。
研究者たちが新しいテクノロジーをまとめた論文を発表したり、
学生やプロたちが作った優秀な作品などを展示してたりします。


SIGGRAPHで採択されることはハードルが高いことで、多くの研究者にとって目標とされている。
そこにFF15のテクノロジー推進部が採択され、快挙を成し遂げた。
モデリング作成、レンダリング作成のフロー、独自ツール、最適化について発表。
英語版ですがSIGGRAPHで発表した動画がいくつか投稿されてます。





キャラクター演出担当の岩永真里絵氏のインタビュー

キャラクター演出を担当している岩永真里絵氏のインタビュー。
元は3Dキャラクターのテクスチャー制作を担当してたが、
キャラクターに思い入れがあり、キャラクター演出担当の挑戦したのだとか。


キャラクター演出とはどんなことをしているのか?

  1. ノクトたち4人をより好きになってもらう為に、魅力的な個性をつける
  2. 開発チームに4人の性格、個性、魅力を共有する

FF15のキャラクター演出の仕事は上記の2つ。
開発スタッフは正しくキャラクターを理解する必要がある。
キャラクター像を固めてブレないように共有している。


キャラクターの共有は、誰にでも分かるように3つのシンプルな魅力キーワードを作った。
例えばノクティスの魅力キーワードは以下の通りで…


■ノクティスがみんなに好かれるキャラにおける共有すべきもの
  • 見た目のイメージ:クールぶった、発展途上の王子
  • 見た目に関して:熱い
  • ギャップ:王子らしからぬ親近感
■共有すべきじゃないキーワード

万能、人嫌い、嘘をつく、超人、クール

それをフロアの目立つ所にたくさん貼り、人目につくようにした。
ストーリーのキャラクター設定は、田畑Dやシナリオ班がベースを作る。
こんな性格だから、この場面ではこういう行動を取るはずといった話を聞きながら、
キャラクターのバックボーンを理解していった。その上でセリフや仕草など細かい部分を掘り下げる。


他チームとの連携によるキャラクター付け

キャラクターは自分一人で決めている分けではなく、
バトルチームとではどんなバトルモーションをとるのか、クエストチームとではクエスト中の
キャラ会話はどんな話をするのか決める必要がある。


キャラクターの一貫性を保つために、岩永氏も一緒に入ってブレないようにしており、
キャラクターに対するイメージの統一だけでは、伝わりきらない部分もあるので、
車を作っているチームや街を作っているチームなど様々なチームと連携している。
車に乗っている時の仕草や、何も操作していない時の仕草なども考えている。


何気ない動きにおいても、そのキャラクターだからこそする動きにしたかった。
MCアクターとして自ら演技をして作ったアニメーションなどもいくつかある。
シドニーでは会話をしながら整備用品を扱ったり、手を降ったり、ブラを直したり等。


バトルにおけるキャラクター性

  • イグニス:常にノクティスの側に居ようとする。
  • グラディオラス:周囲に気を配ってアドバイスしたり、派手に敵を倒す。
  • プロンプト:一生懸命泥臭く走り回ったりする。

こういったバトル中のモーション、技出すときの動きは各担当のアニメーターと
話しながら一緒に制作した。ボイス収録では収録現場にゲームの映像を持って行って、
イメージを掴んでもらうようにした。



コンセプトアーティスト、モンスター担当の橋ちひろ氏のインタビュー

コンセプトアーティストやモンスター担当の橋ちひろ氏のインタビュー。
一部の開発者には『モンスター橋』と呼ばれている。
キャラクター、道具、背景、モンスターなどの絵を描くアートデザインの仕事があるが、
橋氏はモンスターデザインを担当している。


動物好きがあって、今のモンスターを描く仕事が軸になっているのか?

もともと動物や伝説の生き物が好きで、そしてゲーム好きだった。
ゲーム内に動物やモンスターを描けたら最高じゃんと思い会社に入った。


FF15ではモンスターデザインはどのように決めているのか?

FF15の世界はとてもリアルで、現実に生きていてもおかしくない。
生態や骨格を生き物としての存在を突き詰めながらデザインしている。


例えばカトブレパスなどは、元ネタは過去のファイナルファンタジーを参考にしているが、
FF15の舞台で普段どんな生活をしているのか、水中にある植物を食べているので
長い首を下げた形状に進化しているデザインにしよう
と言った具合にデザインしている。
あの長い首を支えるために、どういった筋肉構造と骨格が必要なのかを考えて。


生物学知識も必要そうだが、内部構造までデザインするのがアートチームの仕事なのか?

色々デザインする人がいるので一概には言えないが、FF15は凄くリアルなので
それにあったリアルなものを作ろうとすれば、自然と内部構造からデザインすることになると思う。
例えば建物をゲーム内でリアルに表現するとなると、建築構造を考えるように。
建物と同じようにモンスターも設計しているということです。


モンスターは他職種の人達と話し合いながら制作していく

モンスターを1体作るには、3Dモデリング、質感、動き、プレイヤーとの関わり方など
それぞれの仕事をしている人達とやりとしながら詰める必要がある。
なのでアートはスタート地点であって、完成した設計図ではない。


より生き物として感じられるように、他職種の人達と話し合いながら筋肉や毛並みの質感、
動きを作ってもらう。逆に「こういう質感なんじゃないの?」と教えてもらうこともあり、
モンスターアートの作成はチームプレイである。


デザインする上での苦労は?

モンスターをデザインするための資料が欲しくて、よく動物園に足を運ぶ。
馬の尻尾の生え際、カバが座った時の後ろ足の筋肉の動きなど観るために、
動物の前に何時間も居たりする。クソをする瞬間とかはワクワクしますよね!



アートディレクター長谷川朋広氏のインタビュー

アートディレクター兼シェフ担当の長谷川朋広氏のインタビュー。
FF15ではモンスターや召喚獣・生き物などのアートディレクションや、
イグニスが作る料理のデザインなどを担当している。


アートディレクションとは?

アートディレクションとは、目指す絵の方向性を指示する仕事
絵を描いて具体的な方向性を提示したり、話をして方向性がブレないようにしている。
アートディレクションの仕事は、直良有祐氏(現在は退職)、上国料勇氏と3人で分担しており、
キャラクター(直良氏)、世界(上国料氏)、モンスター(長谷川氏)が担当している。


絵のリアリティーが増したことで高い専門性を必要とするレベルになってきた。
この人は車、この人はUIやタイポグラフィー等、この人はジャスモン周りのディレションと、
各スタッフがアートディレクター的な動きをするようになった。
そしてアートディレクターは、それらの人たちを束ねてまとめる人という位置付けになる。


アートはどんな仕事なのか?

アートはイメージを可視化する仕事です。
まだイメージが固まっていない時に絵を描くことにより、イメージを具現化・可視化する作業を行う。
チーム全員「ああ、なるほど!」と完成のイメージを作るのがアートの仕事で、
長谷川氏の場合は粘土で模型を作ってから、写真で撮って加工してアート制作をすることもある。


FF15での仕事内容(世界を作る)

FF15の制作では、田畑Dから始めに「世界を作ってください」と言われた。
FF15のテーマは旅であり、それを受け止めるリアルな世界を作ってくれと。


今までのFF制作では世界観作りから作業してイメージを膨らませていくが、
今回はストーリーに合わせるのではなく、旅を実感できる世界を先に作って、
そのあとにストーリーを乗せる順番で進めた。


最初に世界を作ることでモンスターの制作の仕方も変わった。
モンスターチームで最初に制作したのがベヒーモスだった。
バトル相手の駒としてのモンスターではなく、生き物としての位置付け、体の構造、
行動や生態など定義を付けて、FF15の世界に住む野生の生き物として考えるところから始めた。


召喚獣のデザインについて

召喚獣は「FF15の世界では何なのか?」というところからスタートした。
召喚獣は生き物を超越した存在だが、ファンタジーなのでよく分からないものでは説得力がない。
実在するものとして召喚獣を描いていく。


存在する事と人間が知っているかは別問題で、よくインタビューでリアルな世界と
ファンタジーを融合するのは大変じゃない?と聞かれるが、
FF15ではファンタジーとしてではなく、現実としてデザインしているんです。


始めに召喚獣のデザインをしたのはリヴァイアサン。
歴代シリーズでは水に変化したりする表現があるが、今回はあえて実体であることにこだわった。
魚をモチーフにデザインしており、ヒレの形状で荘厳で美しいシルエットを目指している。
それにリヴァイアサンは女性なので、美しさを意識してデザインしていた。


召喚獣には性別があり、実体を伴う。また意識があり、痛みも感じる。
それらを表現してくださいと田畑Dからのオーダーだった。


意識はあるが、とてつもなく長い寿命を持ち、体も大きい。
そしてエレメントを司る力などを持ち合わせる召喚獣の意識は、人間のものとは大きく異る。
そういったものが姿形や動作に表現されて、結果的にユーザーに荘厳さが伝われば成功です。


料理についてのエピソード

FF15ではキャンプすると経験値を精算したり、明日挑む敵に備えて食事をする重要な役割を持っている。
旅の中で食材に出会い、イグニスが料理の腕を振るうというFF15らしい要素だと思います。
前回世界を作る話で、世界・大陸・気候などと合わせて料理を企画していました。
文化の変化、つまり料理の変化は旅を感じる要素の一つです。


長谷川氏は趣味で料理をしていて、食べ物にはうるさいので料理企画にも関わることになった。
キャンプで料理を見せるならこんな感じじゃないの?と、実際に料理を作って実写をゲームに合成して
美味そうに見える料理ムービーを作った。それがキャンプ料理の見せ方に繋がっている。
また開発位初期段階チームでは、『その体験をゲームに』というキャッチコピーを掲げていた。


実際にロケハンを行い、旅の感覚をゲームでどう表現するか?など、
その感覚をしっかりチームで話し合った。
コールマンに提供してもらったキャンプセットを担いで、キャンプ場で丸一日料理をチームで
作って食べるというのを行った。


実際キャンプをやってみると多くのヒントがあった。
料理をする人、食べる人、どんな動きをするのか、どんな会話をするのかといったキャンプの基礎を作った。
実際にスクエニカフェで、料理を提供することになるとは思っていなかった。
料理は写真からスキャンできる『フォトスキャン』を使って3Dモデルを作っている。


アメリカのユーチューバーのEpic Meal Time(エピックミールタイム)と一緒に料理も行った。
エピックミールタイムは料理のスケールが印象的だった。
開発チームに寿司職人(キングスグレイブFF15の白石氏)がいることを知ったのがこの時だった。


おにぎり一つにしてもたくさんの工夫を入れており、延々と時間をかけて制作していた。
フォトスキャンでレンダリングした最初のデータは数百万ボリゴンくらいある。
それは召喚獣リヴァイアサンと同じデータ量に値する。
おにぎりの本物の印象を崩さずに、データを小さくしていくのが大変だった。



グローバルブランドマネージャー光野雷生氏のインタビュー

グローバルブランドマネージャーの光野雷生氏のインタビュー。
光野氏は元はアメリカのスクエニで働いていたアメリカ人。
外見からよく日本人に間違われるのだとか。


グローバルブランドマネージャーとは?

グローバルブランドマネージャーとは、FF15の情報をどのように出していくかを考えるチーム。
マーケティングチーム、コミュニティチーム、FF15開発チームと頻繁に連絡を取り、
様々な活動に関わっている面白いチームなんです。


例えば世界同時発売を掲げていたFF15のトーン&マナーを考え、
各地域の施策が合っているかの確認、施策のための新しい情報をグローバルシーンで共有、
各地域が仕事をしやすくなるように手伝うこともある。


■施策とは?

イベントの施策を例にすると、日本だと東京ゲームショウ、アメリカはE3、ドイツはgamescomなどで
ステージイベントでコスプレショーを行って盛り上がったり、ゲーマー層が喜びそうなステージ、
漫画やアニメが好きが集まるステージ、ライト向けに楽しめるコンテンツなど、
その国がハマる企画を考えて施策を組み立てる必要がある。


クローバルブランドチームとして海外チームが行っていることは常に把握しており、
「もっと良い方法があるよ」とアドバイスしたり、最近こういうものが出来ているから、
「これを使用した方がいいよ」など、常に全ての施策にアンテナを張っているイメージ。


各地域に連絡を取るチームがいて、そのチームを総括する人も地域ごとにいる。
それは日本チームだけで行う訳でもない。
世界の全チームを総括しているのが、グローバルブランドディレクターでもある大藤昭夫氏になる。


世界同時発売だと、各国のチームと情報の取り合いにならないのか?

取り合いにはならない。
ただ、どのチームも最高のイベントにしたいと思っているので、様々な企画を送ってくれる。
中には別イベントで同じ情報を出したいという企画もあるので、
各イベントにより合った情報をFF15開発チームや田畑D、宣伝チームとう相談して企画を提案したりする。


印象に残ったFF15でのイベントは?

どのイベントも記憶に残っているがUNCOVERED FINAL FANTASY XV
発表内容は決まっていたので、それをどう発表しようと考え、ステージの流れや台本を書いて提案した。

坂口氏の登場、ユーチューバーの2人、関わったスタッフの力と会場の熱気が噛合い盛り上がった。
その結果、紙で提案した以上に盛り上がって、1つのエンターテイメントになったと感じた。


イベント運営をしていたSEAチームも皆感じており、終わった瞬間は唖然というか、
安堵というか、何とも言えない感覚だった。
イベント後、大藤氏と顔を合わせた時の表情が全てを語っていましたね。




最終更新日:

↑TOP